壁掛けギターハンガーは便利ですが、正しく施工しないと ギターごと落下する事故 が起きます。
特に、在来工法(木造) の壁は内部が空洞のため、ビスを打つ位置を間違えると石膏ボードしか保持できず、荷重で確実に抜けます。
この記事では、
- 在来工法の壁がどうなっているか
- なぜ下地探しが絶対に必要なのか
- 磁石付き針タイプの下地チェッカーの使い方
- ドリルでの下穴あけと施工の流れ
を、DIY初心者でも理解できるようにまとめています。

築60年の家を自分でリフォームした経験があります
在来工法(木造)の壁構造を正しく理解しよう

まず「壁の中がどうなっているのか」を知っておくと、施工の失敗を大幅に防げます。
在来工法の壁はおおよそ次の構造になっています。
壁紙(クロス)の下は、石膏ボードという非常にモロイ素材が、柱、管柱、胴縁のいずれかに貼り付けあります。

これは若干前後しています
石膏ボードは、強度を上げるためではなく、防火目的で貼られているものです。
それを支えるのが柱、管柱、胴縁です。
この見えない柱、管柱、胴縁を目掛けてビスを打ち込むことが今回の目標になります。
石膏ボードは“荷重を支える力が弱い”
ギターハンガーを石膏ボードだけで支えるのは危険。

石膏ボードはちょっと落としただけで欠けるほど弱い材料です。
長期使用で確実に「めり込み」→「抜け落ち」が起こります。

今回はプロ施工なみの強度をめざします
ギターハンガーは“柱 or 胴縁”にビスを通すのが絶対条件
ギターは1本3〜5kg。
落下方向の力+取り外し時の「引っ張り」もかかるため、

地震などの揺れも石膏ボードは影響をうける
柱、管柱、胴縁にビスを入れないと耐えられません。
在来工法=柱がある→ だからこそ 下地チェッカーが必須 という仕組みです。
ギターハンガー施工に、下地探しはなぜ重要なのか?
ギターハンガーの施工で最も多い失敗はこれです。

「とりあえず付属の石膏ボードアンカーで取り付けたら、数週間後に抜けた」
ギターの重さ自体が問題というより、
- 小刻みな揺れ
- ハンガーに掛け外しする力
- 湿度や温度変化
などの“繰り返し荷重”が想像以上に大きいからです。
石膏ボードアンカーやボード用ピンフックは便利ですが、ギターには不向き。
安全に取り付けるには、必ず 柱、管柱、胴縁を探し、中心にビスを打つ 必要があります。
そのために使うのが、次に紹介する 磁石付き×針式の下地チェッカー です。
磁石付き針タイプの下地チェッカーが最適な理由
下地チェッカーには大きく分けて以下があります
| 種類 | 精度 | 在来工法との相性 |
|---|---|---|
| センサー式 | ✕ ズレやすい | 石膏ボード距離で誤反応が多い |
| 針式 | ◎ 高精度 | 柱の位置が直接わかる |
| 磁石付き針式 | ◎+便利 | ビス位置(ネジ)も探せる |
【磁石付き針式の利点】
- 針で石膏ボードを突き刺して「木材に当たったか」を直接確認できる
- ビスが打ってある位置(胴縁や柱のライン)を磁石が探してくれる
- センサー式と違い誤反応がほぼゼロ
- 初心者でも柱の“中心位置”を特定しやすい
柱の中心を見つけられるということは=落下リスクゼロに近づく ということです。
ただし、下地がないところに刺してしまうと、断熱材を傷つけてしまいます。
とくに、防湿シートで覆われているグラスウールの場合注意です。

おすすめは磁石付きとセンサーの併用です。
施工に必要な工具
絶対に必須の道具は下地チェッカーになります。
おすすめは、シンワ測定(Shinwa Sokutei) 下地探し どこ太です。
必ず、マグネット付きを買ってください。
磁石付き針タイプの下地チェッカー

柱の位置と中心を探すために絶対必要。
電動ドリル(下穴用)

ギターハンガー、ネジ穴の中心に穴を簡単に開けることができるツールです。

大変便利な道具
石膏ボードと柱に下穴を開け、割れを防ぐため。
レーザー墨出し器(高さ合わせ)

ギターを複数本並べる人には特におすすめ。
高さズレがなく、設置が美しくなる。
垂直線と水平線が出ればよいので、安い商品でOKです。
ギターハンガー施工ステップ(在来工法編)
Step①:柱(スタッド)を探す
- 磁石で“ビスのライン”を探す
石膏ボードはビスで柱に固定されているため、磁石がビス位置に反応します。
→ 柱の大まかな位置が分かる。 - 針を刺して柱の位置を確定
・針がスッと入れば石膏ボード
・奥で硬く止まったら“木”=柱
・左右数cmずつ刺して“柱の幅”を確認
→ 柱中心のラインを決める
ここが最重要工程。
ハンガーが落ちるか守られるかは この段階で決まります。
Step②:高さを決めて墨出し(レーザー推奨)
- ギターを床に置いて、ヘッドの高さより少し低めが使いやすい
- レーザー墨出し器で「柱中心 × 希望の高さ」を交差させて印をつける
- 複数本なら高さを揃えると美しい
Step③:電動ドリルで下穴を開ける
- ビス径より少し細いドリルビットを使用(例:4mmビス→3mm下穴)
- 深さはビスより少し浅い
- 柱に入ったあたりで手ごたえが変わるのでわかりやすい
Step④:ハンガーを仮固定 → 本締め
- ビスを軽く締める
- 墨出し線とズレていないか再確認
- 位置が合っていれば本締め
- 強く引っ張ってみて動かなければOK
在来工法でやってはいけない施工

× 石膏ボードアンカー単体で取り付ける
→ 数日〜数ヶ月後に抜ける可能性大。
× センサー式チェッカーだけで位置決め
→ 精度が低く、柱中心を外しがち。
× 下穴なしで強くねじ込む
→ 石膏ボードにヒビ・割れが起きる。
まとめ
壁掛けギターハンガーを在来工法に施工するには、
- 柱の位置を正確に探す
- 柱の“中心”にビスを通す
- 石膏ボードだけに固定しない
この3つが欠かせません。
そのために必要な工具は次の3点。
- 磁石付き針タイプの下地チェッカー(必須)
- 電動ドリル(必須)
- レーザー墨出し器(美観UP)
この流れで施工すれば、ギターが落ちる心配はほぼゼロになります。

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