エレキギターのフレット交換をDIYで挑戦してみたけど・・・結果は大失敗でした。
この記事では、私が実際にやらかしたフレット打ち替えの失敗談と、そこから学んだ”絶対に外せない成功の4つのポイント”をご紹介します。
完全に自己責任でお願いします、私はフェンダーUSAの70年代製ネックでトライして、見事に失敗しました。
悔いはありません。

今だったらもう少し違う結果になっていたかも
【失敗談】素人フレット交換で起こった3つの悲劇

フレット交換に至った理由は、
- もちろんプロに頼むお金がなかった
- 自分でしてみたかった、
一番の思いは自分でできるリペアは自分でしたいという単純な理由です。
プロに頼みたくないという反骨精神、40代でもロック中なんで。
今では豊富な情報やツールがありますので、ポイントと工具があれば成功率はかなり高くなる可能性があります。

便利な時代です、
断言できることは、成功率は道具に依存します。
私はラジオペンチとプラハンマーだけでフレット交換に取り組んだことが大きな間違いでした。
これからフレット交換を考えている方は参考になると思います、実際の失敗例をご覧ください。
失敗その1:フレット抜きで指板がえぐれる

→ 原因:フレットの接着が効いていたのに、温めずに抜こうとしたため。
フレットを抜くとき、普通のニッパーで強引に引き抜いたら……フレット溝の脇が取り除いたフレットワイヤーのギザギザの部分に付着して剥げてしまった部分があります。
横からみるとよくわかります。
そもそも、喰い切りという工具で抜くのが一般的ですが、ラジオペンチで抜いてしまった。
さらに、無理やり抜いてしまったことが原因です。
ぜひフレットを抜く際には、「ハンダごて」で温めてから使用してください。

これによりフレットと指板の間の接着剤を緩めることができるからです。
ハンダごてはギターリペアを趣味でされいるかたは持っていると思いますので、是非できる努力は全部したほうがよいです。
失敗その2:打ち込み時にフレットが浮く・斜めに入る

→ 原因:均一に押し込む手段がなかった。フレット曲げの際にフレットが捩れた、フレットプレスの存在を知らなかった。
フレットをハンマーで打ち込むうちに、力加減がばらばらで端が浮いたり、斜めにずれたまま固着してしまいました。
ハンマーはホームセンターに売られているプラスチック製のハンマーを使用していました。
専門のフレットハンマーは2000円ほどで購入できるので、こちらを使用するのが間違いない選択です。
フレット打ちは、精神的に参りました。

とにかくうまくいかなかった。
準備不足だった
- 捩れてフレットが入ったり
- そもそもフレットが指板に密着せず浮いたり
綺麗に収まらないフレットたちをみると、なんていうかやっていてすごく嫌になってきます。
モチベーションも下がります。
後述しますが、手作業でフレットにRをつけるために曲げるとフレットが若干捩れます。
その結果指板にフレットが曲がって入ります。
失敗その3:すり合わせ地獄+フレットが斜め

→ 原因:ネックが反っていた+フレットが斜めに入っていた+指板Rに合っていなかった。
ようやく、フレットを全部入れ終わったと思っても、すり合わせの段階で高さがバラバラでした。
フレット擦り合わせで、何度削っても揃わず、音は当然ビビります。
それもそのはず大前提ネックの状態を把握してから、リペア開始がセオリーです。
「フレットを外す前」にも「フレットを外した後」にも、ネックの反り状態を確認する必要があります。
そもそも「ネックが捩れ」「トラスロッドが回らない」など、調整できない可能性もあります。
実際フレット打ち直しに失敗したストラトネックは、逆反り修正不可のネック状態でした。

ここはまずチェックが必要です。
擦り合わせは低いフレットに全体の高さを合わせるわけですので、ネックが沿っていると一部のフレットだけ極端に削った状態で仕上がることになります。
【DIYリペア】逆反りギターネックは擦り合わせで解決できる?74製ストラトキャスター

自分でフレット交換を成功させるための急所4か条

DIYでフレット交換を成功させるには、以下の4つが核心です。
- ネックの状態をストレートエッジで確認
- フレットは安全に抜く配慮をする
- アールゲージで指板のRを確認、できればRつきのフレットワイヤーを購入する
- フレットプレスなどの専門工具でフレットを打ち込む
急所1:フレットを抜く前に「半田ごて」で温める

- 理由:フレットに接着剤が残っていると、抜くときに木部を破壊しやすい。
- 方法:フレット上に半田ごて(30〜40W)を10秒当ててから抜く。
- 推奨ツール:薄刃のフレット抜きニッパー+半田ごて(先細タイプ)
- 木材が剥がれた場合は、タイトボンドと木材の粉を混ぜ補修する
急所2:ストレートエッジで「ネックの水平」を確認

- 理由:指板が反っていたり、ねじれていると、打ち込んだフレットが揃わない。
- 方法:トラスロッドで調整後、全長にストレートエッジを当てて水平か確認。
- 推奨ツール:ギター専用スケール付きストレートエッジ
急所3:アールゲージで「指板RとフレットRの一致」を確認

- 理由:指板と合わないRのフレットを打つと、浮きやすく、押さえにくい。
- 方法:Rゲージで指板Rを測定→フレットワイヤーもそれに合わせて事前にR付け。
- 推奨ツール:アールゲージセット、R付きフレットプレスブロック
このフレットをRに曲げる作業がマジでうまくいかず捻れます。
最初からRがついている商品を購入するkとおをおすすめします
フレット曲げは必須の作業です、専門の工具がなければRつきのフレットを購入しましょう、マジで。。。


急所4:フレットプレスで「真っ直ぐ均一に」打ち込む
- 理由:ハンマー打ちでは打点ムラが出やすく、斜めや浮きの原因に。
- 方法:アールに合ったプレスパッドで一定圧をかけて圧入。
- 推奨ツール:ハンドプレス/ドリルプレス+Rパッド
ハンマーで打つ方法も、「中央から」とか「はじから」とか、どっちやねんと言う感じです。
ギターのRにあったフレットを買う、そしてプレスで仕上げるのが失敗しない方法です。


プロに頼むか自分でやるか?値段から考える
コスト的な部分で自分でフレット交換をすると考えている人からすると、結構費用がかかるな・・・という感じではないでしょうか?
ギターリペアを趣味でやっている私からみても、フレット打ちは滅多にしない作業にはいります。

ギターリペアが楽しみ、趣味で、という方以外は
プロにお願いするのも良し
工具名 | 用途 | 価格帯(円) |
---|---|---|
喰い切り | フレットを抜く | 2,000〜4,000 |
喰い切り | フレットの端を切る | 2,000〜5,000 |
フレットバイス or ゴムハンマー | フレットを打ち込む/圧入 | 1,000〜5,000 |
フレットレベラー(定規型ヤスリ) | 高さを揃える | 3,000〜8,000 |
クラウニングファイル | フレットの山を成形 | 3,000〜7,000 |
紙やすり・研磨スポンジ | 仕上げ研磨 | 数百円〜1,000 |
マスキングテープ | 指板保護 | 数百円 |
ストレートエッジ | 指板の反り確認 | 2,000〜5,000 |
フレット溝クリーナー | 溝の掃除・成形 | 1,000〜3,000 |
接着剤(タイトボンド等) | フレット固定や木部補修用 | 1,000前後 |
木粉や木片 | 剥がれた部分の補修 | 0〜1,000(手持ち材可) |
合計:約15,000〜40,000円
(安価な中華製ツールセットで始めるなら15,000円前後。本格的なStewMac製などを選ぶと倍以上)
初めてならこんな方法もおすすめ
- Amazonで中華製のツールを買う
- 安いもので8,000〜15,000円くらいで一式揃う
- 品質はそれなりだが、初めてのDIYには十分な場合も
- 中古工具を探す
- メルカリやヤフオクで出品されていることもある
- 最初は部分リペアや1本だけ交換して練習
- 一気にすべてやるより、部分的にやって経験を積むのが安全
フレットワイヤーだけは妥協せず、アール加工されている商品がおすすめ

補足:プロに頼むといくら?
- 全フレット交換:25,000〜50,000円
- ナット交換や指板調整込みだと6〜7万円以上になることも
まとめ:フレット交換は準備とツールで決まる!
いかがでしたでしょうか、フレット交換は思った以上手間がかかるそして、工具にお金がかかるな・・・というのが私の感想です。
フレット交換は、一見すると「フレットを抜いて打ち直すだけ」のように見えますが、実際はネック状態の見極めと正確なツール操作が成功を左右すると感じます。
フレット交換は工具を揃えたりするとプロに頼むのと同等の費用になる可能性もあります。
自分でやる最大のメリットは対費用効果だけではないと私は思っていて、
- スキルがつく
- ギターの楽しみが増える
十分に自分でする意味はあると思っています。
今回紹介した「失敗談」+「急所4か条」を押さえておけば、素人でも十分チャレンジ可能。
最初は安いネックや練習用で練習するのが安心ですよ!
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