逆反りギターはフレット擦り合わせで改善するのか?という記事になります。
20年以上前に父親から譲り受けた70年代ストラトだが、当時からフレット、ナットは壊滅的にすり減っていました。
楽器店にリフレットをお願いしたのですが、ネックが波打っているとのことで、リフレットせず月日は流れ。
あれから20年。
自分でフレットを打ち直しで失敗して、それっきりでした。
所有している別のギターがDIYリペアの擦り合わせにより、弦のビビりなどの問題が解決したので、ちょっと変な自信がつきました。
「フレット乱れ+ネックの不調」このストラトが擦り合わせで再生できるか?試しました。
- ネック反りの調整
- フレット擦り合わせ
- ナットの取り付け
以上を記事にします。
【結論】擦り合わせの実行は、逆反りの程度を確認すべき

まずは結論からです。
擦り合わせをしても.、1.5mmの逆反りは改善できませんでした。
ネックが弓形になっているので、
ストレートエッジをネックに乗せると、フレット側、ブリッジ側が浮いている状態です。
擦り合わせ後の仕上がりは、ブリッジ側にストレートエッジをベタで乗せてると、5フレットあたりから、隙間が始まり1Fでは、1.5mm近い隙間があります。
擦り合わせでフレット頂点を合わせることはできませんでした。
1Fを押さえたときにビビります。
ローコードは鳴らせないくらいひどいですが、2F以降は比較的良好です。
チョーキングした時の音詰まりもないです。

5F〜1Fだけネックが順反れば、
普通に弾ける。

ギターソロ専用って使い方もありかな
DIYリペア前に、ストレートエッジとフレットの間に、どれくらいの隙間があるか確認しましょう。
若干の逆反りだったら改善できる可能性はあります。
繰り返しですが、まずはネック状態を確認することが大事です。
ギターネック反りの確認と調整

フレットは自分で打ち直したためフレット高さがバラバラなので、
ネックの反りを調整して→フレット擦り合わせでフレットのレベルがなんとか揃うよにネック反りを調整したいと思います。
まずはストレートエッジを使用してネックの状態を把握してトラスロッドを回そうとおもいます。
ネック状態を確認してみよう
ネックの状態確認を解説します、一番大事な工程でリペアを実施するか?判断基準になる工程です。
ストレートエッジを使用して、6弦から1弦までのラインで確認していきます。
ネックは気温や湿度で一年中、動いています。
弦のビビりやチョーキングでの音詰まりといった不調の原因の一つになります。
ストレートエッジを一本持っていると大変便利です。

簡単に不調の原因を確認できる
ネック状態を把握

ネックにストレートエッジを乗せて横から光を当て、フレットとストレートエッジの隙間を見ます。
結論からいうとこのストラトは逆反りの状態です。
逆反りの特徴は画像の通りで、ストレートエッジとフレットとの間に、ブリッジ側(22F付近)とナット側(1F付近)で隙間ができます。



ネック中心部はおおよそベタつきですが、ナット側とブリッジ側でストレートエッジとの間に隙間があります。
逆反りと仮定してトラスロッドを調整していきます。

ストレートエッジはメンテツールでおすすめ

圧倒的に便利
トラスロッドの調整

トラスロッドが効くことを願って画像の向きで回していきます。
少し回すだけでネックの状態は急激に変化しますので、確認しながら負担がかからないように少しずつ回すつもりでいましたが・・・

順反り方向にはロッドが効きますが、逆反り方向にはロッドが効きませんでした。
このブレットタイプと呼ばれるナットは逆反り修正方向には効きません。
正確にいうとワンウェイタイプのトラスロッドは順反り方向にしか修正ができません。

主に順反りの補正にのみ対応できるロッドだ。
埋め込まれているトラスロッドの種類では逆反りが治らないものがあります。

いくら回してもこのようにナットが取れるだけ

自分にできる領域は、フレット高さを調節してを調整するしかなさそうです。

逆反りは思った以上に厄介
今更楽器店からリペアできないと言われた理由がわかった気がします。
フレット擦り合わせ
ネックはこれ以上修正しようがないので、フレット擦り合わせをしていこうと思います。
作業工程は、
- 養生
- 400番で研磨
- フレットファイルで整える
- 600番で中仕上げ研磨
- スチールウールで仕上げ研磨
といった感じです。
ホームセンターで手に入らないのはフレットファイルです。
養生
紙やすりで指板が傷つかないように養生します。
削り粉も結構でますので、養生するに越したことはありません。
ブリッジ側にいくにつれフレット幅は狭くなっていくので、マスキングテープは「太い」「細い」の2種類あると便利です。


400番で研磨

逆反りしているので、余計な部分は削らないようにしましょう。
このストラトはとにかくローフレットがビビるので、ローフレット(1F〜5F)を残すイメージで擦り合わせをします。
この画像のヤスリ以上に長いアングル材がおすすめ、削りたいところだけベタにつけたほうが良かった。
この辺も事前によくネックの状態を把握して、作戦を練りましょう。
フレットを研磨の限界値はフレット高0.7mmまで。

0.7mm以下はフレット交換をした方が良い高さ基準です。
フレットファイルで研磨
研磨で台形になったフレットを丸型に整えていきます。
その後紙やすり600番でフレットファイルの傷を消しました。

スチールウールで研磨
前段階でフレットファイルの傷が消えていれば、スチールウールでびっくりするくらい輝き、なめらかになります。

仕上がり

セットアップしてみて

20年以上ぶりにこのストラトが普通に弾けるかもしれないという、期待を胸に弦を張ってみました。
冒頭でお伝えしたとおり、1フレットでビビりがあります。
最終的な弦高は12Fで1.5mmにしました、弦高の基準値です。
ローコードは弾けません。
ストレートエッジと1フレットの間隔は1.5mmほどです。

結論はまずはストレートエッジとフレットの感覚をみて、研磨で問題がクリアできるかどうかを検証することが重要かと思います。
それ以降のフレットは問題ないんですよね。
ほんと1Fだけビビらなければ普通に弾けるのですが。
リードギター専用なら使えそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか、最終的には弦高1.5mmで設定して、1F以外は問題なしという結果になりました。
1Fは弾かなければ普通に使えますので、20年ぶりに、またこのギターを使っていきたいです。
素直にギターが復活したと思っています。
今回の反省点は擦り合わせの時に、長い素材で研磨しなかったので、ローフレット側、必要ない部分まで削っていた可能性があるので、そこは次回改善したいと思いました。
フレット打ちをもう一度して、擦り合わせしたら、もっと良い結果になるかな?と感じました。
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