レスポールをアンプに繋いでも音が出ない…。
そんなとき、まず疑うべきポイントのひとつが「プラグジャックの断線」です。
本記事では、ギター初心者の方でも安心して修理できる方法をお伝えします。

断線修理方法を写真付きで解説します。
断線の状態にもよりますがハンダ作業も難しくないので、リペア初心者でも「なんとかなるレベル」の修理です。
こんな症状が出たらジャックを疑おう

以下の症状があればプラグジャックの断線や接触不良の可能性が高いです。
- シールドを挿しても音が出ない/途切れる
- シールドを動かすと「ブツッ」とノイズが出る
- ジャック部分がグラグラしている
- アンプ側やシールドは問題ないのに音が出ない
プラグジャックの修理は「ハンダごて」を使用しますが、特別難しい作業ではありません。

ハンダ作業は難しいと思ってませんか?
実際にやってみると「そうでもない」

できるようになると色々と幅が広がるよ
修理に必要な道具一覧

ハンダごては、高い商品である必要はありませんが温度調節機能付きがおすすめです。

- プラスドライバー(小型)
- はんだごて(30W〜40W程度でOK)
- はんだ(電子工作用)
- ピンセットまたはラジオペンチ
- 接点復活剤(あれば便利)
- テスター(導通チェック用/任意)
テスターは必須ではありませんが、もっていると便利ですよ。

リペアするなら必須アイテム

ジャック断線の修理手順

作業内容 | 料金の目安(税込) | 備考 |
---|---|---|
ジャック交換(工賃+部品代) | 約3,000円〜5,000円 | 一般的なSwitchcraft製ジャック使用 |
ジャック再配線・はんだ修理 | 約2,000円〜4,000円 | 断線・はんだ浮きの補修対応 |
全体チェック込みの修理 | 約4,000円〜7,000円 | 他パーツとの複合トラブル時 |
自分で修理するか?迷っている方へ参考までに、ジャック修理の相場になります。
もし自分で修理すれば、費用は以下のように抑えられます。
- ジャック部品:600円〜1,200円程度(Switchcraft製など)
- はんだ・工具類:初期投資3,000〜5,000円(長く使える)
- 合計:1,000円前後〜(既に工具がある場合)
配線を繋ぎなおして良しとするか?そもそもジャック自体交換した方が良いか?ですが、
- ジャック自体の交換:古くなってガリや緩みが出ている場合は、新品に交換するのが確実です。
- はんだ修理のみで済むケースも多くあります。
古くなっているようであれば、交換するのがベストです。
ここからは修理手順になります。
- コントロールキャビティを開ける
- ジャックの状態を確認する
- 古いはんだを取り除く
- ケーブルを剥いて再接続
- 動作確認

解説します!
① コントロールキャビティを開ける

レスポールの背面、ジャックプレートのネジを外して、内部の配線を確認します。
※モデルによってはキャビティ側から配線されていることもあります。
② ジャックの状態を確認する

- 線が完全に外れていないか
- はんだが取れていないか
- 線が折れていないか
導通チェックできる方は、ジャック端子のリード線とアース線が電気的にパーツと繋がっているのかテスターで確認しましょう。
③ 古いはんだを取り除く
断線していたり、はんだが浮いている場合は、一度古いはんだをハンダごてで溶かしてハンダ吸い取り機で吸い取りましょう。

ハンダは370度に設定します。

端子についている既存のハンダを溶かしてリード線をハンダづけすることも可能ですが、古いハンダは撤去した方が良いです。
ハンダ吸い取り機を使用して古いハンダを吸い取ります。

溶かした瞬間にポンプのスイッチを押すと吸い取ります。

DIYギターリペアで古ハンダは除去すべき?ハンダ吸い取り機の使い方
④ ケーブルを剥いて再接続
断線していたら、ケーブルを少し切って新たに芯線とシールド線を剥き直します。
それぞれにはんだ付けしましょう。


カッターでも案外上手く剥けます
端子とワイヤーに予備ハンダをします。
予備ハンダとは、ハンダづけする素材にハンダを付着させる作業です。
これをすることにより、リード線接合時の作業が簡単になります。

予備ハンダを溶かし、リード線を差し込むだけ

370度設定のままでOK

ワイヤーの予備ハンダ

あとは、端子の予備ハンダを溶かし、リード線を差し込んで終了です。

両方切れていてどっちがどっちだったかわからない・・・という場合、グラウンド(シールド線)はポッドの背中からリード線が伸びているケースが多いです。
- ホット(芯線) → ジャックのホット端子へ
- グラウンド(シールド線) → ジャックのアース端子へ
一方ホットは、スイッチのホット線からのリード線になります。
シールド線の場合

シールド線の場合は、断線することはないと思います。
網線部分がシールドになります、網線部分をアース端子にハンダづけします。
ホットはその皮膜のなかのワイヤー部分になります。
端子に予備ハンダをして、予備ハンダを溶かしてワイヤーを端子に入れて固定します。
⑤ 動作確認
はんだ付け後、シールドを挿してアンプから音が出るか確認します。
問題がなければ、プレートを元に戻して修理完了です!

修理のコツと注意点
- はんだは多すぎず、少なすぎずを意識しましょう。盛りすぎるとショートの原因になります。
- シールド線のほつれは事前にねじってまとめておきましょう。
- プレートのネジを締めすぎないように注意。プラスチック製の場合は特に注意。
コントロールキャビティ内でのテスターで断線チェック方法
導通確認とは、「電気がちゃんと流れるか(断線していないか)」をチェックする方法です。
テスター(マルチメーター)を使えば、ジャックや配線の接触不良をカンタンに調べられます。
ジャックにリード線がハンダ付けされていても、実は中で切れていたり、ハンダが浮いていたりすることがあります。
テスターを使って、ジャック端子からリード線の他端(ポット)まで電気が流れているかを確認しましょう。

導通モードの記号って?
テスターの導通チェックモードは、以下の記号で表示されています:
- スピーカーのようなアイコン
- 波線と+マーク(Ωの近く)
テスターの機種によって表示は異なるので、詳しくは付属の説明書を確認しましょう。
確認手順


- テスターを導通モード(ピッと音が鳴る設定)にします。
- ジャックのホット端子にプローブを当てます。
- そのリード線が接続されている端子(多くの場合はスイッチのホット端子だと思います。)を当てます。
- 音が鳴れば導通あり(断線なし)、鳴らなければリード線の断線やハンダ不良の可能性があります。
チェックポイント
ホット線の導通確認(ジャックホット端子 → スイッチホット端子)


線の色を辿っていった先の端子。
グラウンド線導通確認(ジャック外側端子 → ポットのケースなど)


ポッドの背中ならどこでもOK
両方で「ピッ」と鳴れば配線はOKです。
鳴らなければ、配線が途中で切れている・ハンダが剥がれている可能性が高いです。

それでも音が出ない場合は?
ジャックの修理で直らない場合は、以下も疑ってみましょう。
- ボリュームポットの断線
- セレクタースイッチの接触不良
- ピックアップの断線
内部配線の全体チェックが必要になるため、自信がなければリペアショップに相談しましょう。
まとめ
レスポールのジャック断線は、はんだ付けスキルがあれば自分で修理可能です。
今回紹介した手順で、多くのケースは解決できます。
音が出なくて焦ったときは、まずは落ち着いてジャック周りをチェックしてみてください!
使用した道具リンク


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