レスポールを改造したり、アース配線を見直したりした後、「弦を触ってもノイズが消えない」「むしろ触ったときにノイズが増える」などの症状に悩まされることがあります。
このような場合にまず確認すべきなのが、ブリッジアースの導通不良です。
この記事では、ブリッジアースが正しく導通しているかを簡単にチェックする方法と、導通していない場合の対処法を解説します。
そもそもブリッジアースとは?不良のサインとは?

エレキギターのブリッジ(金属製パーツ)は、弦を通じてプレイヤーの体とつながっています。
そのため、ブリッジがアースと導通していることで、プレイヤーがギターに触れたときに静電気やノイズを逃がす役割を果たします。
レスポールの場合、ブリッジアースはブリッジの下または近くに穴をあけて、ブリッジポストやテールピーススタッドの下にアース線を接触させる形で配線されています。
ノイズの症状から見るブリッジアース不良のサイン

ブリッジアース線は、一般的にリアボリュームポットの背面に接続されています。
各ポットの金属ケースはアースされており、不要なノイズ成分はこのアースを通ってブリッジ、弦、そして演奏者の体を経由して地面へ逃げていきます。
これにより、ノイズの少ないクリアな音質が保たれる仕組みになっています。。
以下のような症状がある場合、ブリッジアースが断線している、または接触不良の可能性があります。
- 弦に触ってもノイズが減らない(静電気が逃げない)
- 弦に触った瞬間に「ブッ」とノイズが出る
- 改造後に急にノイズが増えた
簡単にできる導通チェック方法

導通チェックは、テスター(マルチメーター)を使えば簡単にできます。
導通とは、「電気がちゃんと流れているか」をチェックすることです。
ブリッジとアースが導通しているということは、弦を通じて体にたまった静電気やノイズが、ちゃんとギターのアース配線を通って逃げている状態です。
つまり、導通をチェックすることで、次のようなことがわかります:
- ブリッジとアースがつながっているか
- 弦を通じてノイズを逃がせる状態か
- 改造や修理でアース線が断線していないか
導通していなければ、ギターが本来持つ「ノイズを減らす仕組み」が働いていないということです。
たとえるなら、静電気を逃がす“避雷針”のケーブルが外れているようなものです。
だからノイズが取れず、触ると逆に「バチッ」と音がしたりするのです。

導通確認方法
1. テスターを導通チェックモードにする

(抵抗モードでもよいですが、ブザー付き導通モードが便利です)
2. 一方のリードをブリッジ(金属部)に当てる

3. もう一方のリードをポットケースまたはアウトプットジャックのスリーブに当てる

4. 導通していればブザーが鳴る or 0Ωに近い抵抗値になる

- 導通していなければブザーは鳴らず、抵抗値が高くなります(または∞)
導通していなかった場合の対処法
◾️ スタッドの接触を確認
テールピースやブリッジのスタッドがアース線としっかり接触しているか確認しましょう。一度引き抜いて、アース線の先端を処理し直して再挿入することで改善することがあります。
◾️ アース線の断線チェック
キャビティ内でアース線が途中で切れていないか、またはハンダ不良がないか確認します。必要に応じて新しく引き直しましょう。
◾️ 最終手段:ブリッジ下にワッシャー状の金属を追加
アース線の接触が安定しない場合は、スタッドとボディの間に薄い金属片を挟む方法もあります。

ブリッジアースの導通が回復すれば?
ブリッジと弦がアースされることで、プレイヤーの体が一時的にグラウンドの役割を果たし、手から逃げる静電気が減り、ノイズが抑えられます。
「弦を触った瞬間にノイズが減る」状態が正常といえるでしょう。
まとめ
チェックポイント | 内容 |
---|---|
弦に触ってもノイズが減らない | ブリッジアース導通不良の可能性大 |
テスターで導通チェック | ブリッジ ⇔ ポットケース間を測定 |
導通がなければ修正 | アース線の接触・断線を確認 |
ブリッジアースの導通不良は、配線トラブルの中でも見落とされがちなポイントです。
しかし、この1点を見直すだけで劇的にノイズが改善することもあります。
改造やメンテナンスの際には、必ず導通チェックを行っておきましょう。

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