今回の格安ギターネックは、調整しても直らない強い逆反りの個体でした。
しかし、
弦を張ったまま吊るして数ヶ月保管しただけで、反りが明らかに減少し、弦のビビりも大幅に改善した実例を紹介します。
「完全には直らないが、時間と保管方法でここまで変わるのか」と驚いたケースです。

期待はしていなかったが、徐々に改善してきた
逆反りネックに悩んでいる人はノーリスクで試せますので参考になればと思います。
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逆反りネックは保管でここまで改善する?“新品なのに逆反りネック”が復活しかけた実例

上記の写真は、ナット側の 購入当初の状態(ビフォー) と、弦を張って吊るし下げ保管を続けた状態(アフター) を比較したものです。
2025年8月にペグを取り付けて弦を張り、吊るし下げで保管を始めましたので、アフター画像は12月時点のものです。
わずか数か月という 短期間で効果が現れた ことに驚きました。
改めて、ギターという楽器は 弦を張った状態で初めてバランスが取れるように設計されている ことを実感した瞬間でもあります。
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新品の格安ネックがまさかの“強烈な逆反り”

今回扱ったのは、新しく購入した格安ギターネック。
しかし取り付けた瞬間に問題が露呈。
- 最初から強い 逆反り
- ダブルアジャスタブルロッドで逆反り方向にも調整可能
- それでも完全には直らない
- サドルをかなり上げてもビビる状態
ロッド調整の限界を感じ、「これはさすがに厳しい」と思ったほどです。
弦を外すと逆反りが悪化することがある
私自身、過去に 弦なしで放置した結果、逆反りが悪化した経験 がありました。

ネックに負担がかかる=悪い という印象が
弦を外すと、
- 木材が逆方向へ戻りやすい
- 湿度変化の影響をそのまま受ける
- 逆反りのクセが強いネックほど悪化しやすい
という傾向があります。
今回も弦なし放置は危険と判断しました。
逆反りネックに“弦張りっぱなし+吊るし下げ” を選んだ理由

省スペースに多数本を保管する目的で買ったギターハンガーが、保管に活躍しています。
本来は壁掛けにした方が、見た目的にも良いのですが、新築や賃貸だと壁に穴を開けることをためらってしまいますよね。

構造的にも不可能な場合もあります。
スタンド型ギターハンガーはこういった施工が必要なくギターを吊るすことができるのでおすすめです。
関連記事;【在来工法向け】本格的、壁掛けギターハンガーの正しい施工方法
弦のテンションが逆反りを押し戻す力になる
弦の張力は「順反り方向」の力として働くため、逆反りネックにはプラスに働きます。
吊るし下げは姿勢が安定しクセがつきにくい
ハンガー保管により、
- 床置きのように一点へ負荷が集中しない
- ネックが自然な姿勢で長期間維持できる
というメリットがあります。
これらを組み合わせ、数ヶ月放置しました。
関連記事;【初心者向け】ギターの逆反りを防ぐベストな保管方法とは?5本持ちの体験から語るリアルな結論
ギター逆反りが数ヶ月後…「これ直りかけてない?」と感じた瞬間

再び手に取ってみて驚きました。
弦のビビりが“圧倒的に減少”
同じ弦高でも、以前のような激しいビビりがほとんどありません。
ストレートエッジで確認 → 反りが確実に減っている
測定すると、
- 逆反りの量が明確に少なくなっている
- 完全ではないが「改善しかけている」状態
ここで初めて、
「これなら擦り合わせをしてみようかな?」と思える状態まで回復していました。
なぜ保管だけで改善するのか?
木材は時間と湿度でゆっくり動く素材です。
- 弦のテンション(順反り方向)
- 吊るし姿勢の安定性
- 過度な乾燥がない環境
これらが揃うことで、木材内部の応力バランスが変化し、反りが緩和するという現象は実際に起こります。

新潟という湿気が多い土地が幸いした
今回のネックはまさにその典型でした。
まとめ
- 逆反りネックに弦なし長期保管は悪化リスクあり
- 弦張りっぱなし+吊るし下げ は改善例がある
- 数日ではなく 数ヶ月単位 で変化することがある
- 状態が戻ってくれば 擦り合わせ で実用レベルに可能性あり
- ロッド調整で限界を迎えたネックでも希望が残っている場合がある
木材は“時間”が味方してくれることがあります。
今回の経験が、逆反りで困っている人の参考になれば幸いです。

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