ギターポッド交換ですが、プロに頼まず自分でやりたいと思ったらやってみましょう!
なぜなら、やればできるからです。
ハンダ作業は、普段しないので躊躇ってしまいますが・・・中学生の授業以来という人も多いのでは?
単純に「溶かして接合」「溶かして外す」、それだけなんですがね。
結構難しいこと言ってる人も一定数いますが、
ハンダを介して「配線がポッドに繋がれば」音は普通にでますから。

気楽にやりましょう
ハンダ作業は手順どおり行えば怖いものではありません。
1回使ってしまえばギターの「カスタマイズ」「リペア」に応用が効くスキルかと思っています。

スキルと言って良いかも微妙

溶かして「くっつける」だけだからね
昨今は、格安のピックアップやパーツがたくさんあるので、交換して楽しむってのも良いかなと思います。
早速、「ハンダ作業を簡単に手軽にやる方法」に、フォーカスして手順を解説していきます。
ギターポッド交換、既存ポッドを撤去手順

不安要素のハンダごてですが、商品次第で不安感は変数かと思っています。
気づいたらものすごく高温になっていた、なんてことがないように、温度調節機能つきで作業します。
- 温度調節機能つき
- セットで2000円
初心者が手に取りやすい商品で作業していきます。
温度とか言われても・・・わかりませんよね?俺自身もわかりませんから。
350℃設定、一択で作業していきます。
ポッド交換で準備するものは、以下の道具です。
- 交換用ポッド
- ハンダごて
- 音響用ハンダ
- ラジオペンチ
- 紙やすり(400番)
- プライヤー(ポッドのナット外せるもの)
- ピンセット
作業の流れをざっと解説して、さらに詳しいことが知りたい場合は記事後半をご覧ください。
作業の流れをざっと解説
ここからは、作業の流れと、実際にポッドを交換する方法をお伝えします。
作業の流れは以下の手順です。
- 既存のポッドを撤去
- 新しいポッド準備
- 新しいポッドを取り付ける
- 配線を新しいポッドに繋ぐ
という感じです。
ここからは、1つずつ画像付きで解説します。
わかりやすいように温度付きハンダを350℃設定にして解説していきます。
既存のポッドを撤去、アース線外し
コントロールキャビティ内の配線一式を取り出せるなら取り出して作業することをおすすめします。
狭い部分は作業しにくいので。
私の場合は金属プレートごと一旦コントロールキャビティから出します。

取り出せないタイプもあります
ボディ側のナットを外していきます。
コントロールノブは引っ張ればとれますよ。

プレートを引き出す時に、トグルスイッチ配線が引っ張られる可能性があるのでトグルスイッチ本体を裏側に引き出した方が安心です。

ナットを外すだけだから

この時弦アースを外す必要があります。

早速ハンダごてを使用します。

- ハンダを温める
- ハンダごてを弦アースとポッドを接続しているハンダを溶かしつつ
- 弦アースをピンセットで引き抜くだけです。
- ハンダが汚れたら付属のスポンジを濡らしたものでコテ先を拭きます。(商品による)
簡単な作業ですが、注意点があります。
配線にハンダごてが接触すると配線皮膜が溶けてしまいます。
ハンダごてですが、先端よりも側面がよく熱を持つので、先端よりの側面をハンダにあてるように心がけます。
プレートが引き出せたら、交換したいポッドのプレート裏のナットを外します。


既存のポッドを撤去、配線外し
交換するポッドによりますが、今回はピックアップとコンデンサーのポッドを外す必要があります。
プレートを引き出したら作業しやすいようにプレートを平らにおきます。

工夫して動かないように
配線を外していきます。
またまた、ハンダごてを接触させて配線の皮膜を焼かないよう注意です、外す順番を考えてから作業をしましょう。

350℃設定のままでOK
先ほどと同様で、ハンダごてを片手にもち、配線に近い部分のパーツを熱するイメージでハンダをとかし、溶けたらピンセットで配線を引き抜きます。


これで撤去完了です。
新しいギターポッドを取り付ける
ここからは、新しいギターポッドの取り付けをしていきます。
新しいポッド準備、背中を紙やすりで研磨

ポッドの背中を紙やすりで研磨します。
というのも、ポッドの種類によりますが、傷を入れないと背中にハンダが乗らないケースがあります。

背中は金属面が広くハンダの熱が奪われる
今までの経験上、背中は研磨しないとホント、ハンダが付着しません。
400番程度で艶がなくなるくらい研磨します。
新しいポッド準備、アース処理
ポッドは端子が3本あるうち1本をポッド背中につけます。
この3本の端子ですが、それぞれに役割が決まっています、気になる方は、記事後半でご覧ください
ポッドの種類で端子が短い商品があります、その場合、ポッドと端子を配線でつないでもOK。

では、端子を加工してアース落とします。

ラジオペンチで「端子根元を起点にくるっと」端子がベタに背に付くようにします。

背中はアース(コールド)という
温めたハンダを端子につけ端子を温めます、ハンダを端子に接触させます。

ハンダごてで、ハンダを溶かし溶接するではなく、ハンダごてで温めたパーツにハンダが自然に溶け流れるという感じです。
端子を介した熱でハンダを溶かします。

350℃設定のままで大丈夫!
ですので温めるのは、あくまでパーツです。
端子を背面につける、これがアース処理になります。

アースに落とすという
これをしないと、ボリュームまたはトーンが機能しません。
ちなみに、安いポッドほど端子が短く、端子の穴が細いです。
安いだけでポッドを購入すると、コンデンサーとピックアップの配線を一つの穴に通す時にちょっと苦労するかもしれません。
例えば、安いMusiclilyよりも、値段は高いですがCTS製が加工しやすいです。

端子の位置が違いますよね。

商品選びの際は端子の長さをちょっと気にすると良い

新しいポッド端子準備、予備ハンダ
予備ハンダする箇所は、ピックアップまたは、コンデンサーがつながる端子に予備ハンダをします。
予備ハンダとは、配線を接続する部位にハンダを流しメッキ加工することです。
ここでは、ハンダごてで端子を温め、温まった端子にハンダを接触させ溶岩のように流します。
予備ハンダの目的はは記事後半で。
端子に予備ハンダ
配線が通る端子に予備ハンダ(メッキ)をしていきます。
端子の穴が埋まる程度のハンダをのせます。
この時も、熱するのは端子です、ハンダではありません。
熱せられた端子にハンダを当て、ハンダを流します。
ちょっと多すぎて玉になったら、ハンダ吸い取り機で吸い取りましょう。
使用している画像
使い方はこちら↓
DIYギターリペアで古ハンダは除去すべき?ハンダ吸い取り機の使い方


ポッドの背中に予備はんだ
次にポッドの背中に予備ハンダします。
配線が埋まるくらいの量の山を作っておきます。

里山くらいにしてください。
裾野が広がる感じが良い
ハンダが密着しないようであれば、もう一度紙やすりで研磨しましょう。
ハンダの量は少なすぎると、アース線やピックアップ配線が固着しません。

ここまでできたら、ポッドをプレートにセットします。
新しいギターポッドの取り付け

ここまできたら、あと少しです、一旦休憩してから取り組んでも全然構いません。
人間の集中力は長持ちしませんので、
ここからは、小さい端子の穴に配線を入れたりと集中が必要な作業が待っていますので。

とはいえ、溶かして差し込むだけですから!
ハンダごてはハンダを溶かすごとに、コテ台に付属の水につけたスポンジや金だわし式のクリーナーで掃除してから使用しましょう。

新しいポッドを取り付ける
ポッドを本体に取り付けて配線を接続していきます。
先ほどした予備ハンダを溶かし配線を接続していきます。

先ほど付けたハンダを溶かし配線する
ハンダごてを配線の皮膜に接触させないように注意です、だからこそどこから作業するか?を練ってから作業開始しましょう。
その前に、接続の時のギモンから、
配線の接続で追加ハンダは必要?ハンダの役割
ハンダは配線と部品を繋ぐ役割ですが、なるべく配線と部品がハンダを介さずともベタに接触しているのがベストです。
とはいえ微細な空間ができます、その微細な隙間を埋めるのがハンダのやくわりです。
配線が端子などの接続先にベタについている+適切なハンダ量=これが良質なハンダづけです。
予備ハンダを溶かして配線を接続しますが、追加でハンダを入れるか?という部分の判断ですが、次を目安にしてください
- ハンダの厚が接続部を薄く覆う程度の量がある
- ハンダ厚が配線の直径の1.5〜2倍程度である
上記を満たしているようであれば追加ハンダはナシ、という認識でOK。
配線を接続する

端子に配線を接続するのですが、今までピンセットを使用してきましたが、こればかりは手で持った方が「作業しやすい」かもしれません。
裁縫針に糸を通すような作業ですので。
端子を熱すると、すぐにハンダが溶け始めるのでサッと配線を差し込みハンダゴテを離します。
ハンダが固まったら、配線から手を離します。
端子にコンデサーと配線の2つを通す場合は片方ずつ作業して大丈夫です。


ピックアップ配線が終わったらコンデンサーを通すって感じね
ポッドの背中に接続する
ピックアップからの配線とアースになります、アースはコントロールキャビティにプレートを納めてからになるので一番最後の作業になるかと思います。
ハンダを溶かしたら、配線をピンセットで持ち、背中に押し付けるようにします。
または、コテ先を使用して押さえつけても良いですが、熱を加えすぎないように注意です。

ハンダゴテをポッド背中から離し、固まったらピンセットから配線を離します。
アース線は太いのでポット背中にベタにつくように整形して、ラジオペンチで押すようにハンダ付けします。

復旧して、音出し確認して終了です。
ハンダ付けが「もたついたり」、「うーんイマイチ」と思っても、おそらく音は出ます。
はじめから完璧を目指さなくても良いのかなと思います。

趣味ですからね。
ハンダ作業やポッドのにまつわる作業のあれこれ
ギターポッド交換ですが、既存ポッドと同じように設置すればよいだけなのですが、以下のことを知ってから作業すると、どうしてこれをするのか?っていうモヤモヤが減るとおもいますので、お伝えします。
知っていれば、ポッド交換にかかわらずギターリペアやカスタマイズにについてのノウハウがつくと思うので解説します。
ハンダごてについて
ギターポッド交換ですが、まずハンダごて選びに失敗すると作業できません。
充電式のハンダごてを買ったのですが、ポッド背中のハンダを溶かすことができなかった経験から、ギターといえど、場所よっては大きな熱が必要になることをしりました。
便利そうだ、でハンダを選んでしまうと、作業にならない可能性もあります。
ハンダ選びについてW数はさまざまな意見がありますが、私はハッコーの30Wで作業できています。

安くて、機能は十分だからです。
経験上30W以上であればOKです

ポッド背中にハンダを取り付ける場合比較てき大きな熱量がひつようになります。
今回は温度調節機能付きを使用しました、初めての方からすると、温度がわからない、起動しているのかもわからない、さらに別売りであれもこれも揃えないとだめというの不安だし、面倒だと思うので。
今回のようなセットを使用すれば、ハンダだけ別売りで買えばよいだけです。

ハンダは音響用を購入すればよい、そして鉛入り。鉛が含まれていないものは溶けにくいのです。

30W以上+鉛入り!
ハンダ選びについて詳しくはこちら↓
【悩んだらこれ】ギターリペアにおすすめのハンダごて:HAKKO 30W vs 60W。
ハンダごてと一緒に準備した方が良いもの
道具 | 特徴 | 必須か |
---|---|---|
ハンダ | – 音響用を購入する – 鉛入り、ヤニ入り糸ハンダが適している – 鉛フリーは溶けにくく作業しにくい | ○ |
ハンダこて台 | ||
こて先クリーナー | – ワイヤタイプのクリーナーが効率的 | ○ |
ハンダこて先 | – 消耗品なので予備があると便利 | △ |
ピンセット | – 特に面実装部品のハンダ付けに役立つ | ○ |
拡大鏡 | – 細かい作業を行う際に便利 | △ |
フラックス | – こて先の酸化防止やハンダ付けの品質向上に使用 | △ |
ハンダ吸取り機 | – ハンダの除去や修正に使用 | △ |
△: 必須ではないが便利
まず、ハンダは鉛ヤニ入りの音響用であれば安心です。
鉛フリーは溶けにくい性質があるので、鉛入りを選べば間違いありません。

ハンダこて台は必須です、というのもテーブルにベタで置いておく焦げます。
安全性能から言えばコテ台は重くて、縦置きできる商品がおすすめです。
ハンダごてを使用してみとわかるのですが、ハンダ先についた溶けたハンダこのままでよいの?って感じることになるかと思います。

これ、
放置すると、熱がうまく伝わらずに作業効率が悪いハンダになってしまいます。
ハンダごてはあまり頻繁に使う道具ではないので、できるだけ綺麗に使用して保管したい道具です。
ピンセットは個人的には必須アイテムです。
ハンダ作業で配線を外す時に手でつかめないシュチュエーションが結構あるので、そんな時はピンセットで配線をつかむと便利です。

ポッドはどれを選ぶ?
交換するポットですが、
- 寸法は図る
- メーカーによって抵抗値を選ぶ
1、の寸法違いのものを購入すると取り付けができない場合があります。
詳しくはこちらで解説しています↓
既存ポッドを採寸して同じものを選べばOKです、あとは抵抗値を間違えないことです。
以下を参考にしてください。
ギターブランド | 一般的な抵抗値 | 主なカーブ | 特徴 | シャフト |
---|---|---|---|---|
フェンダー | 250kΩ | Aカーブ | – ビンテージタイプ(へそ付き)ポットを使用 | – 取り付け軸高さ:約6mm |
– ピックガードやコントロールプレートに適合 | – シャフト形状:主にスプリットシャフト | |||
– シングルコイルピックアップに適している | – シャフト径:約6mm(ミリ規格) | |||
ギブソン | 500kΩ | Aカーブ | – ロングタイプポットを使用 | – 取り付け軸高さ:約18.5mm |
– トップ材が厚いギターに適合 | – シャフト形状:主にスプリットシャフト | |||
– ハムバッカーピックアップに適している | – シャフト径:約6.35mm(インチ規格) |
ストラトキャスターは250、レスポールは500を選べばよいです。

そのほかにちょっと気にすると良いことは、
安いポッドほど端子が短く、端子の穴が小さい気がします。
例えば、安いMusiclilyよりも、値段は高いですがCTS製が加工しやすいです。

端子の位置が違いますよね。

ギターポッドの構造
ポットの構造を知っていれば、間違った配線するリスクが減ります。
というのも、ポッドの3本の端子には役割が決まっているからです。
- 3本の端子:左端、中央、右端にあります。
- 抵抗体:端子間に接続された可変抵抗の本体部分。
- ワイパー:回転によって抵抗値を変える可動接点。
ポットの端子の役割は以下の通りです。
- 左端:通常、信号の入力端子として使用。
- 中央:コンデンサー(可変抵抗)の出力として機能。
- 右端:一般的にアースに接続。
これらの端子を適切に配線することで、ギターのボリュームやトーンが機能します
予備ハンダについて

予備ハンダとは、ハンダ付けを行う前に、接続する部分にあらかじめ少量のハンダを塗布する作業です。
その理由は以下のとおりです。
- 接続部分の表面を清浄にし、酸化物を除去します。
- 本番のハンダ付けをより簡単かつ確実に行えるようになります。
- 熱伝導を良くし、本番のハンダ付けをスムーズに行えます。
予備ハンダを行うことで、ハンダ付けの品質が向上し、失敗のリスクを減らすことができます。
特にギターの配線作業のような繊細な作業では、予備ハンダを行うことで、より確実にパーツを接続することができます。

それと作業が簡単になる
ギターのポット交換やピックアップの配線作業を行う際には、この予備ハンダを活用することで、より確実で信頼性の高い接続になります。
まとめ
このギターパーツの交換はハンダ作業がない仕組みであれば、もっと民主的になっていると思います。
このハンダ付け作業をいかに簡単にやっていくか?ということがポイントだと思っていて、今回は温度調節付きのハンダを使用しました。
驚くほど使い易く、作業が簡単になるツールだと感じました。
2000円ほどで、必要なツールが揃っていますので。
付属のピンセット、コテ台、ハンダ吸い取り機・・・付録だから使えないってことはありません。
ぜひ、挑戦してみてください!



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