「ガリが出るポットを交換したい」「憧れのコンデンサーに載せ替えたい」
ギターを自分でメンテナンスしようとした時、最初の高い壁となるのが「古いハンダの取り外し」です。
- ハンダごてを当てても、一向に溶ける気配がない
- 無理に引っ張って、配線や基板を傷めてしまいそう
- 熱を加えすぎて、新品を載せる前に隣のパーツを壊しそう
実は、ギターいじりにおいて「付ける作業」よりも「外す作業」の方がトラブルが起きやすいのです。
この記事では、パーツを無傷で、かつ一瞬で取り外すための「正しい道具選び」と「プロも実践するコツ」を解説します。
1. 「溶けない」には理由がある。技術の前に「道具」を見直そう

ギターの内部、特にポットの裏側などは金属面積が広く、熱がどんどん逃げてしまいます。
安価なワット数の低いハンダごてでは、熱が逃げるスピードに負けてしまい、いつまで経ってもハンダが溶けません。

この大きな塊を溶かすには、瞬間的な「熱量」が必要です。
ダラダラと長時間加熱し続けると、パーツ内部の樹脂が溶け、故障の原因になります。
「外れない」と感じたら、それは腕のせいではなく道具の限界かもしれません。
おすすめの解決策:温度調整機能付きハンダごて「白光 FX-600」

ギターメンテナンスの定番であり、これ一択と言っても過言ではありません。
- 白光(HAKKO) FX-600(商品リンク)
370〜400℃に設定すれば、頑固なハンダも一瞬で液状化します。
パーツを熱ダメージから守るための投資として、これ以上のものはありません。
パーツごとに適切な温度をこちらで紹介しています→【ハンダ作業】ギターパーツごとの“最適温度”一覧と設定温度の正解は?リペア初心者でも失敗しない基準を解説
とにかくローコストで安全に作業できるものを探している方はこちらがおすすめです→2000円Lesimollはんだごてはギター修理に使える?初心者向け14-in-1セット徹底レビュー
2. パーツ別・安全な取り外しテクニック
「パーツを交換する」といっても、ポットやスイッチなどの母体はそのまま使い、そこに繋がっているリード線やコンデンサーだけを外したいケースがほとんどだと思います。
無理にこじ開けようとせず、以下の手順で行うのが最も安全で確実です。
① リード線・コンデンサーを引き抜く

まずは繋がっている古い線を取り外します。
- 手順: 接続部分のハンダにコテを当て、ハンダが溶けた瞬間にピンセットで線を軽くつまんで引き抜きます。
- 注意: 指でいくと火傷の危険があり、ペンチだと力が入りすぎて端子を曲げてしまうことがあります。細かい作業ができるピンセットがベストです。
関連記事;レスポールのコンデンサーで迷ったらオレンジドロップ一択!トーンの違いを分かりやすく解説
② 残ったハンダを綺麗に掃除する(ここが重要!)

線を引き抜いた後の端子には、古いハンダが山盛りに残っています。そのまま新しい線を付けようとするのは「イモハンダ」による接触不良の元です。
- ポット裏の場合: **ハンダ吸い取り器(スッポン)**を使い、残った塊をバシュッ!と一気に吸い取ります。
- スイッチの端子穴などの場合: ハンダ吸い取り線を当てて、端子の「穴」が見えるまで綺麗に吸い取ります。

ハンダ回収について、詳しくは→ハンダ回収のベスト?ギターリペアにおけるハンダ吸い取り機と吸い取り線の使い分け【使い方も解説】
③ポット・アース線の取り外し

一番の難所です。大きなハンダの塊をどう処理するかが鍵となります。
- コツ: 古いハンダの上に、「追いハンダ(新しいハンダを少し足す)」をしてください。熱伝導が劇的に良くなり、古いハンダが溶けやすくなります。
- 仕上げ: 溶けたらすぐに「ハンダ吸い取り器(スッポン)」で吸い取ります。
失敗しないポッドの交換方法を紹介しています→【9割成功する方法】ギターポッド交換方法と修理にベストなハンダこてとは?
④セレクタースイッチ、ジャックの取り外し

足が細く、熱に非常に弱いパーツです。
- コツ: 「ハンダ吸い取り線」を端子に当て、その上からコテを押し当てます。吸い取り線がハンダを吸い上げてくれるので、パーツへの負担を最小限に抑えられます。

プラグジャックの交換方法を解説しています→【図解あり】レスポールのプラグジャック断線修理方法|音が出ないときの対処法
3. 効率を劇的に変える「取り外し3種の神器」

修理や交換をスムーズに完結させるために、私が実際に使っている必須アイテムを紹介します。
| アイテム | 役割 | 選び方のポイント |
| 白光 FX-600 | ハンダごて | ギター弄りの標準。温度維持力が違います。 |
| ハンダ吸い取り器 | 大量除去 | ポット裏のハンダを「バシュッ」と一掃できます。 |
| ハンダ吸い取り線 | 仕上げ | 端子をピカピカにして、次のパーツを付けやすくします。 |
セットで欲しい方はこちらが人気です→白光(HAKKO) はんだ付け入門キット K-010
なぜ「白光(HAKKO)」なのか?
多くのプロが愛用する理由は、その「温度管理能力」にあります。
安いコテは熱が逃げると温度が下がってしまいますが、FX-600は常に一定の温度をキープ。
結果として「短時間の作業」が可能になり、大切なギターを熱から守れるのです。
私も愛用しています→ギターリペア迷ったらこれ!白光(HAKKO) ダイヤル式温度制御はんだこて FX600-02
まとめ:準備が整えば、ギターいじりはもっと楽しくなる
パーツを外す作業に不安を感じるのは、それだけあなたが愛機を大切に思っている証拠です。
- パワーのあるコテで「短時間」で溶かす
- 追いハンダで熱の通り道を作る
- 吸い取り具を駆使してスマートにリセットする
この3点を守れば、失敗のリスクは激減します。
古いパーツをスッキリと取り外して、本来のトーンを取り戻す修理や、理想の音を追求するパーツ交換に挑戦してみましょう。

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