エレキギターのオクターブチューニングですが、ギター練習で曲に合わせてハイフレットを弾いた時に音程のズレを感じて「アレっ」て思ったことありませんか?
そこで初めてオクターブチューニングの存在を知る人も多いのではないかと。

音痴な楽器だと、私ってこんな下手だった・・・
と感じることも
オクターブチューニングを調べてみるとちょっと難しそうと感じるのではないでしょうか。
やり始めると、チューニングメーターと工具があれば簡単にできる作業です。
この記事では、
- オクターブチューニングとは?そして調整しないデメリット
- フェンダー社とギブソン社のオクターブチューニング方法
- オクターブチューニングで悩みが解決しない場合、他の点検項目
以上の記事です。
オクターブチューニングしないと、起こる症状

オクターブチューニングを怠ると、以下のような演奏上の問題がおこります。
- 音程の不正確さ
- コードの濁り
- 他の楽器とのハーモニーの乱れ

初心者こそ楽器のメンテナンスはするべき
私も自分の演奏を録音すると、チョーキングの音程のズレはよく感じます。
これがオクターブ調整することで改善する可能性があります。

初心者こそオクターブチューニングはした方が良い。
オクターブチューニングとは?なぜ必要?

オクターブチューニングとは、12フレットのハーモニクス音と12フレット押弦の音程が一致するように調整します。
これにより、ギターやベースの各弦がネック全体で正しい音程になります。
なぜオクターブチューニングが必要なのか?
ギターの構造上、オクターブがずれることがあるためです。
ブリッジのサドル(弦が乗る部分)の位置が適切でないと、高いフレットの音程がズレます。
12フレット以降で音が合わないと、コードやソロを弾いたときに不協和音が生じます。
特に、ネックの状態、弦の太さ、チューニング、ピッキングの強さなどの影響でオクターブピッチがズレることがあります。
オクターブズレる原因は、自然に発生するので、定期的にメンテナンスが必要です。
- 季節の変化(温度と湿度でネックが動く)
- 弦のゲージを変えたとき
定期的にチェックがお勧めです。
フェンダーとギブソンのオクターブチューニング方法
フェンダーとギブソンのオクターブチューニングに必要な道具は以下の通りです。
- チューナー:正確な音程を測定するために不可欠です。
- プラスドライバー(フェンダー用):フェンダーのストラトキャスターなどでは、サドルの調整にプラスドライバーを使用します。
- マイナスドライバーまたはレンチ(ギブソン用):ギブソンのレスポールなどでは、ブリッジの調整にマイナスドライバー、またはレンチが必要な場合があります。

特別な道具は必要ない
ただし、ギターの具体的なモデルによって必要な道具が若干異なる場合があるので、ご使用のギターの仕様を確認することをお勧めします。
正確に調整するポイントが2つあります!
- 弦が古い場合は交換する → 弦が劣化すると正確な調整が難しくなる
- 強く押さえすぎない → フレットを強く押さえすぎると音程が変わるため、適度な力加減でチェックする
フェンダー社のオクターブチューニング方法
まず、通常のチューニングを行い、開放弦の音を正しく合わせます。
必ずチューナーを使用します。
2. 12フレットのハーモニクスを鳴らす
- 12フレットのちょうど真上(フレットバーの上ではなく、真上)に指を軽く触れ、ピッキングした後すぐに指を離します。
- すると、12フレットのハーモニクス音(基準音)が鳴ります。
3. 12フレットを押さえて音を出す
- 次に、実際に12フレットを押さえた音(オクターブ音)を出します。
- この音が、ハーモニクス音と同じ音程になっているかを確認します。
- チューナーを使って、どちらの音もピッチが合っているかチェックするとより正確です。
4. 音のズレを確認
調整する時は弦を緩めてから作業します。
12フレットを押さえた音が低い(フラット)場合
→ サドルをナット側(ヘッド側)へ移動させる。
12フレットを押さえた音が高い(シャープ)場合
→ サドルをブリッジ側(ピックアップ側)へ移動させる。
ギブソン社オクターブチューニング
まず、通常のチューニングを行い、開放弦の音を正しく合わせます。
必ずチューナーを使用します。
2. 12フレットのハーモニクスを鳴らす
- 12フレットのちょうど真上(フレットバーの上ではなく、真上)に指を軽く触れ、ピッキングした後すぐに指を離します。
- すると、12フレットのハーモニクス音(基準音)が鳴ります。
3. 12フレットを押さえて音を出す
- 次に、実際に12フレットを押さえた音(オクターブ音)を出します。
- この音が、ハーモニクス音と同じ音程になっているかを確認します。
- チューナーを使って、どちらの音もピッチが合っているかチェックするとより正確です。
4. 音のズレを確認
調整する時は弦を緩めてから作業します。
12フレットを押さえた音が低い(フラット)場合
→ サドルをナット側(ヘッド側)へ移動させる。
12フレットを押さえた音が高い(シャープ)場合
→ サドルをブリッジ側(ピックアップ側)へ移動させる。
それでも悩みが解決しない場合の解決策
オクターブチューニングを合わせたけど、それでもどこかおかしいと感じたら以下も合わせて確認してください。

この順番がベストです。
- ネックの調整(最初にやるべき!)
- フレットの状態確認(摩耗や高さの不均一をチェック)
- ナットの調整(弦高や音程の影響を修正)
- 弦高調節&サドル調整(最終的にオクターブチューニングを完璧に合わせる)
それでもダメならプロに相談となります。
1、ネックの調整
ネックの反りは、オクターブチューニングが狂う大きな要因です。
特に順反りでは12フレットの音がシャープしやすく、逆反りでは音の詰まりやビビリで正しくチューニングできないことがあります。
定期的にネックの状態をチェックし、必要に応じてトラスロッドの調整やリペアを行うことで、正しいオクターブチューニングが可能になります。
【DIYリペア】ストレートエッジでギターネック反り調節、道具は可能性だ。
順反り(前に反る)
順反りの症状は以下のとおりです。
- 弦高が高くなる(特に5フレット~12フレットあたり)
- 弦を押さえる距離が長くなり、音がシャープ(高く)なりやすい
- 押弦の際に力が必要になり、ピッチが安定しづらくなる
オクターブチューニングへの影響
✅ 12フレットの音がシャープしやすくなり、正しく調整できない
✅ 弦を強く押さえるほどピッチが不安定になる
対策
➡ トラスロッドを締めて(時計回り)順反りを修正
逆反り(後ろに反る)
逆反りでの症状は以下のとおりです。
- 弦高が低くなりすぎ、フレットバズ(ビビリ)が発生)
- 高フレット(12フレット以上)で音が詰まりやすくなる
- 音程が不安定になり、オクターブピッチが狂いやすい
オクターブチューニングへの影響
✅ 弦が適切に振動しないため、チューナーで正確に音程を測れなくなる
✅ 高音域でオクターブが合わなくなる
対策
➡ トラスロッドを緩めて(反時計回り)逆反りを修正
ねじれ(ネックが斜めに歪む)
ネックがねじれている症状は以下のとおりです。
- 片方の弦だけ弦高が高い/低い
- フレットによって音程が違いすぎる(特に1弦側と6弦側で差が出る)
オクターブチューニングへの影響
✅ 1弦と6弦でオクターブピッチのズレが異なる
✅ 修正が難しく、通常のオクターブ調整では対応できない
対策
➡ 軽度ならフレットすり合わせで対応可能
➡ 重度の場合はネックリペア(熱処理やネックリセット)が必要
2、フレット状態の確認
フレットの摩耗(すり減り)も、オクターブチューニングが狂う原因の一つです。
フレットは弦を押さえる支点となるため、摩耗すると弦の振動する長さや押さえたときのピッチに影響を及ぼします。
フレットが局所的にすり減る(特定の音程が狂う)
ギターでよく使用するフレットは人それぞれバラバラで、ネック全体で均一にフレットがすり減るというのはありえません。
極端にすり減っているフレットを弾いた時に音が狂っていると感じることがあります。
特に1〜5フレットや12フレット周辺はよく使われるため、摩耗しやすいです。
極端にフレットがすり減ると以下の症状がでます。
- フレットがすり減ると、押弦時に弦の接点が変わり、音程がわずかにシャープ(高く)なる
- その結果、12フレットのオクターブ音が高くなり、正しいオクターブ調整ができなくなる
- フレットが削れすぎると、弦が適切に押さえられず、チョーキングやビブラート時に音が安定しなくなる
- 音程がズレるだけでなく、チューニングそのものが合いにくくなる
✅ 対策 → フレットすり合わせ(リフレットが必要な場合も)
フレット摩耗のチェック方法
以下はフレット摩耗のチェック方法です。
- 特定のフレットだけ音がズレるか確認する
- 弦を押さえたときに音がビビらないか確認
- フレットを目視でチェック(すり減っている部分がないか)
- オクターブチューニングがフレットごとに違うかチェック
✅ すり減りが軽度なら「フレットすり合わせ」
✅ 重度なら「リフレット(フレット交換)」
弦高が適切でないとフレットを押さえた際のピッチが不安定になり、正確なオクターブ調整ができなくなることがあります。
3、ナットの確認
オクターブチューニングの問題が解決しない場合、ナットの高さや溝の深さが原因である可能性があります。
ナットの状態が悪いとオクターブチューニングが狂う原因になります。
ナットは弦の支点となる部分なので、ここに問題があると弦長や弦の張力が変わり、オクターブピッチがズレることがあります。
ナット溝が高すぎる
ナット溝が高い場合の症状は以下のとおりです。
- 開放弦を弾いたときは問題なくても、フレットを押さえると過剰に弦が引っ張られ、音がシャープ(高く)なる
- 特に1〜5フレットあたりの音程が狂いやすい
✅対策 → ナット溝を適切な深さに削る(ギターリペアショップで調整可能)
ナット溝が低すぎる(または摩耗している)
ナット溝が低い場合の症状は以下のとおりです。
- ナットの溝が深すぎると、弦がフレットに近づきすぎてしまい、開放弦の音がビビる
- 音程が安定せず、チューニングやオクターブが合いにくくなる
✅対策 → ナット交換、または溝を埋めて再調整する
ナットの溝の角度が不適切
ナット溝のに適切な角度がついていないと以下の症状が起こります。
- ナットの溝の角度が適切でないと、弦がナットのどこで振動するかが不安定になり、開放弦と押弦した音のピッチがズレる
- これにより、オクターブ調整をしても正確なピッチが取れなくなる
✅対策 → ナットの角度を適正に削り直す
ナットの素材が適切でない
ナット素材が適切でない場合もオクターブチューニングが狂う可能性があります。
- 安価なプラスチックナットは摩耗しやすく、弦の振動が安定しないことがある
- これにより、チューニングやオクターブピッチのズレが発生することがある
✅対策 → 牛骨、TUSQ製品、ブラスなどの高品質なナットに交換
ナットの状態をチェックする方法
- 開放弦のチューニングを合わせる
- 1フレットを押さえた音を確認(極端に高くなっていないか?)
- 12フレットのオクターブチューニングを確認
- ナットが原因で音が狂っていないか調べる
✅ 1フレットの音が大きくシャープする場合 → ナット溝が高すぎる
✅ 開放弦と押弦時で音の安定感がない場合 → ナット溝や素材の問題
ナットの調整や交換を検討してください。
4、弦高調節&サドル調整
サドルの高さ(弦高)はオクターブチューニングに大きく影響します。
- 弦高が高すぎる → 12フレットの音がシャープしやすい
- 弦高が低すぎる → フレットバズが発生し、ピッチが不安定
- サドルの位置が不適切 → オクターブが合わなくなる
✅ 適切なサドル調整とオクターブチューニングの組み合わせが、正確な音程のために重要です!
弦高が高すぎる場合の影響
弦高が高い場合の影響は以下のとおりです。
- 弦を押さえるときに指で弦を大きく引っ張ることになるため、ピッチがシャープ(高く)なりやすい
- 特に12フレット以降の音がオクターブチューニングと合わなくなる
✅ オクターブチューニングの影響
- 12フレットの実音がハーモニクスよりシャープになる
- ブリッジサドルでオクターブ調整しても完全に補正できない
✅ 対策:
➡ サドルを下げて弦高を適正にする(ただし、下げすぎるとフレットバズの原因になるので注意)
弦高が低すぎる場合の影響
弦高が低すぎる場合の特徴は以下のとおりです。
- フレットに近すぎると弦がフレットに接触しやすくなり、ビビリ(フレットバズ)が発生
- フレットバズが発生すると、弦が正しく振動せず、チューナーでのオクターブ調整が困難になる
✅ オクターブチューニングの影響
- 一部のフレットで音が詰まり、正確な音程が出ない
- 12フレットの音が本来のピッチよりフラット(低く)なることがある
✅ 対策:
➡ サドルを適切な高さまで上げる
➡ フレットすり合わせやネック調整も視野に入れる
弦高を適切にする、サドル調整方法
弦高がおかしい=サドルを調整する必要があります。
✅ 対策:
➡ サドルの調整ネジを使い、オクターブピッチを微調整
➡ サドルの角度を適切に設定する(特にチューン・O・マチックやフロイドローズタイプのブリッジ)弦の種類やテンションの影響
まとめ
オクターブチューニングは、エレキギターを快適に演奏するための必須メンテナンスです。
ギターで頻繁に行うメンテナンスといえば弦交換ですが、その弦交換でもオクターブチューニングが狂う可能性があります。

弦交換したらオクターブチューニングをしましょう。
例えば、
- 太い弦に交換すると、弦高やテンションが変わり、サドルの位置を変えないとオクターブが合わなくなる
- 逆に、細い弦に交換すると、テンションが下がり、ピッチが不安定になることがある
といった具合で、普通に使用している=オクターブチューニングを調整する必要があるということになります。
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