ギターのピックアップ交換や配線作業で欠かせないのが「ハンダづけ」。
でも、「ポットが壊れた」「音が出ない」「ノイズだらけになった」といった失敗を経験した人も多いのではないでしょうか?
この記事では、ギターリペアにおけるよくある失敗事例をもとに、
初心者でも失敗しにくいハンダづけの正しい手順、最適な温度設定、おすすめのハンダごてをご紹介します。
よくあるハンダづけの失敗事例と原因

まず私がギターリペアのハンダづけで大きな間違いをしていたことがあります。
ハンダごてで、温めるのはハンダではなくパーツです。
そして、予備ハンダをすることで作業難易度は驚くほど簡単になります。
予備ハンダとは、接続先の端子やポッドの背中にハンダを乗せておく作業です。
詳しくはコチラを→【初心者向け】ギター修理は自分で、ハンダ付けの基本とおすすめツール、ハンダ作業はこれで怖くない
ここではよくあるハンダづけの失敗事例を紹介します。

知っておくと成功の法則がわかるよ!
1. パーツを熱で壊す
- 事例:ポットの端子を焦がして動作不良に
- 原因:ハンダごてを長時間当て続けて内部が破損
- 対策:1〜2秒以内に手早くハンダ付けする
そのパーツにあった最適な温度で作業しよう。

初心者は温度調節機能付きのハンダがおすすめ

ハンダは鉛入りの溶けやすい商品を選ぼう
2. ハンダがのらない(冷やしハンダ)
- 事例:見た目は付いているけど、接触不良で音が出ない
- 原因:接点が十分に温まる前にハンダを流した
- 対策:金属部分をしっかり熱してからハンダを流す
ハンダごてで、熱を加えるのは、ハンダではなくパーツです。

パーツの熱を介してハンダを溶かすこと!

温度調節機能のついたハンダであれば、熱で壊すことはない
3. 不要なところにハンダが流れてショート
- 事例:ポットやスイッチの端子がブリッジしてしまう
- 原因:ハンダの量が多すぎた or こて先の操作ミス
- 対策:必要最低限の量を使い、こて先を安定して動かす
ハンダづけするときに既存ハンダがある場合は吸い取ってから、作業する。

ハンダ吸い取り機を使い慣れることかな

予備ハンダが済んでいれば、ハンダは少量でOKなハズ
ハンダづけの基礎はコチラで紹介してます
【初心者向け】ギター修理は自分で、ハンダ付けの基本とおすすめツール、ハンダ作業はこれで怖くない
4. 配線の被覆を溶かしてしまう
- 事例:ビニールや布巻き線の被覆が焦げてショートの原因に
- 原因:加熱しすぎ、またはこて先が配線に触れた
- 対策:短時間で仕上げる&こて先の取り扱いに注意
リード線はあっという間に皮膜が溶けます・・・最適な温度でサッと仕上げることです。

リード線のハンダ作業は低めの温度設定で

記事後半でパーツごとの温度設定を紹介しています。
5. 位置ズレに気づかず固めてしまう
- 事例:リード線が不自然な方向に固定されてしまう
- 原因:仮固定をせずいきなりハンダ付けした
- 対策:位置決めしてからハンダ作業に入ること
予備ハンダを徹底すれば、位置ズレは防ぐことができます!

面倒でも予備ハンダをしましょう。
ハンダづけの基礎はコチラで紹介してます
【初心者向け】ギター修理は自分で、ハンダ付けの基本とおすすめツール、ハンダ作業はこれで怖くない
失敗しないハンダづけの手順

- 配線図や回路図を確認する
→ あらかじめ全体の構成を把握し、ミスを防ぐ - 配線材の皮膜を剥き、端子に仮固定する
→ 動かないようにしておくことで、作業中のズレ防止に
コンデンサーは端子に仮固定して作業する
リード線接続は、端子に必ず予備ハンダをする - こて先を綺麗にして、接点を加熱
→ こて先クリーナーや濡れたスポンジで掃除してから作業開始
汚れたコテ先はパーツに熱が上手く伝わりません、必ずスポンジなどで余分なハンダを落としてから作業すること。 - 接点が温まったらハンダを流し込む
→ ハンダは「こて先」ではなく「金属部」に当てて溶かすのがコツ - 1〜2秒でこてを離し、自然に冷やす
→ 艶のあるハンダ面になっていれば成功の証
最適なハンダごての温度とは?
温度設定はハンダづけ成功のカギ。
低すぎると冷やしハンダ、高すぎるとパーツが壊れるというリスクがあります。

まずは温度調節機能つきハンダを買ってください
ギターリペアでの温度設定目安
作業内容 | 目安温度(℃) | 備考 |
---|---|---|
ピックアップのリード線 | 350〜370℃ | シールド線は少し高めでもOK |
ポットやジャック端子 | 360〜380℃ | 熱容量が大きいため高めで手早く |
ミニスイッチや細線の接続 | 330〜350℃ | 被覆を溶かさないよう注意 |
温度管理のポイント
- 初心者は360℃前後を基準にすると作業しやすい
- 低温で長時間当て続けるのはNG
- 使用中はこて先をこまめにクリーニング
初心者におすすめのハンダごて
絶対的に温度調節機能付きを購入しましょう。
なおかつ、コード付きの商品をおすすめします。
ある程度パワーのある商品でないと、広い金属面のハンダが溶けません。

ポッドの背中などね
白光(HAKKO) FX600
- 特徴:200〜500℃の温度調整ダイヤル付き
- メリット:軽量・細こて先対応・安定感抜群
- おすすめ用途:ギター配線を長く続けたい人向け

goot PX-201
- 特徴:出力40Wの定番モデル
- メリット:扱いやすい・価格が手頃・温度上昇も速い
- おすすめ用途:初めての1本に最適

温度調節機能付きLesimoll はんだごてセット
とにかく低価格で温度調節機能付きのハンダが欲しいならコチラがおすすめです。
ハンダづけに必要な備品がほぼ全て付属してます。
次の記事で紹介してます。
2000円ハンダごてセットはギターリペア初心者におすすめ。温度調節機能付きLesimoll はんだごてセットレビュー

おすすめのハンダ材
- Sn60/Pb40(鉛入り)タイプ:流れやすく初心者でも扱いやすい
- 直径:0.6〜0.8mm程度:ギター配線にはちょうど良い太さ
- フラックス入り:作業性アップ、きれいな仕上がりに

まとめ
- ハンダづけは正しい道具と手順、温度設定が成功のカギ
- 加熱は手早く・正確に・短時間で
- ハンダは少なめでOK、温度は360℃前後が基本
- 練習してから本番作業へ。まずはジャンクパーツで試そう!
正しくハンダづけできるようになれば、ピックアップ交換もスイッチ追加も思いのまま!
ギターリペアの楽しさを、ぜひあなたも体験してください。


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