一見、ただ線と端子をつなげるだけに思えるギターの半田づけ。
しかし実際には、音質・ノイズ・見た目に大きな差が出ることがあります。
ギターが故障してハンダづけを自分でしてみようと思った時、素人でも良いものか・・・と悩んだことがあります。

コツさえつかめば、誰でもできる作業ですが
この記事では、プロと素人の半田づけの差、そして素人がプロの仕上がりを再現するための方法をお伝えします。
ハンダづけの違い、プロと素人の違い

半田づけで重要なことは、
- 手順をよく把握すること
- ギターのハンダづけに適した道具を使用すること
以上2点です。
自分でギターを修理したり、カスタマイズできれば、趣味の音楽がますます楽しくなります。

ローコストで自分の好きなようにギターをカスタマイズできる

パーツを自由に選べる
それには、半田作業は避けて通れないスキルになります。
繰り返しになりますが、半田づけは難しい作業ではありませんが、適切に作業しないと音質などに問題が起こります・・・
素人とプロの差は以下のとおりです。
素人の半田づけによくある失敗
- 音質: 接触不良で音が途切れたり、ガリノイズが発生する。
- ノイズ: イモ半田(半田がちゃんと広がらずダマになる)によって導通が不安定。
- 見た目: 半田がゴツゴツ盛られて、配線が汚く見える。
プロの半田づけはここが違う
- 音質: 導通が安定してローノイズ、音抜けも良い。
- 耐久性: ライブ中に半田が外れる心配がない。
- 見た目: 配線がスッキリ、リセール時の評価にもプラス。
プロの仕上がりに近づけるための道具とコツ

素人でも、道具とやり方を押さえればプロに近い仕上がりは十分可能です。
以下に必須アイテムをまとめます。
1. 温度調整付きハンダごて
ギター配線はポットやジャックなど金属パーツが大きく、温度が低いと半田がきれいに広がりません。
350℃前後に調整できるハンダごてを選びましょう。
おすすめは、安くて良いものであればコチラ→2000円ハンダごてセットはギターリペア初心者におすすめ。温度調節機能付きLesimoll はんだごてセットレビュー

2. フラックスペン or ヤニ入り半田
表面酸化を防ぎ、半田がスッと流れ込むようになります。
イモ半田を防ぐ最重要アイテムです。

半田はヤニ入りを選びましょう

3. 半田吸い取り線(リワーク用)
失敗してもやり直せる安心アイテム。
余分な半田を吸い取って仕上がりを美しく。
4. テスター(導通チェック用)
「見た目はきれいだけど音が出ない」を防ぐために必須。
作業後に必ずチェックしましょう。

プロ仕上げに近づく3つのコツ
パーツ | 素材 / 特徴 | 適正温度(℃) | ポイント |
---|---|---|---|
ポット背面(アース配線) | 金属板が分厚く熱を奪われやすい | 380〜400℃ | 事前にポットに「予備半田」をのせると楽。熱をかけすぎるとポット内部が壊れるので注意。 |
ポット端子(ボリューム/トーン) | 小さいラグ、熱に弱い | 340〜360℃ | 短時間でサッと。熱をかけすぎるとカーボントラックが焼損するリスクあり。 |
トグルスイッチ / セレクタースイッチ | 真鍮やスチール、樹脂も近い | 340〜360℃ | プラスチック部分を焦がさないように、接合部だけを的確に温める。 |
アウトプットジャック | 厚みのあるラグ端子 | 350〜370℃ | 比較的熱容量が大きい。長時間加熱で絶縁体が溶けないように注意。 |
ピックアップリード線(布巻き / シールド) | 細い銅線、熱に弱い | 320〜340℃ | 被覆を焦がさないように短時間で処理。予備半田必須。 |
シールドケーブル(外部ケーブル加工) | 編組シールド、太め | 360〜380℃ | シールド網は熱が逃げやすいのでやや高めに設定。導通不良になりやすいのでフラックスを併用すると良い。 |
- 予備半田を忘れない: 配線の先とポット背面にあらかじめ半田をのせておく。
- 適切な熱量を使用する: パーツごとに必要な熱量が違います、コテ先は配線の接続先パーツに触れさせて数秒、半田は接合部に流し込む。
- 半田の量は最小限: ツヤが出て薄く広がれば成功。盛りすぎは逆効果
詳しくはコチラ→【初心者向け】ギター修理は自分で、ハンダ付けの基本とおすすめツール、ハンダ作業はこれで怖くない
まとめ:道具とコツで誰でもプロ並みの仕上がりに
ギターの半田づけは「ただつなげる作業」ではなく、音質・耐久性・見た目に直結する大事な工程です。
素人っぽい仕上がりを避けたいなら、温度調整付きハンダごて・フラックス・吸い取り線・テスターの4点セットを揃えるのが近道です。
まずは道具を整えて、練習用の配線で感覚をつかみましょう。
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