レスポールの音質を改善したい場合、まずコンデンサーを交換してみたい!私もそう思ってオレンジドロップに交換しました。
コンデンサーはリペアの中でも比較的簡単に交換できるパーツで、まずコンデンサーを交換してみて、様子をみることはおすすめです。
とはいえ、コンデンサーには種類が多く、「どれを選べばいいのかわからない…」という人も多いはず。
そんなときにまず試してほしいのが、定番中の定番「オレンジドロップ(Orange Drop)」です。
レスポールに人気のオレンジドロップとは?

オレンジドロップはギブソン系のギターとの相性が良く、多くのプレイヤーやリペアマンが愛用しています。

まずオレンジドロップを試してみたいという直感は正解です。

アメリカのスプラーグ(Sprague)社が開発したフィルムコンデンサー。
その名の通り、オレンジ色の樹脂ケースに包まれた外観が特徴です。
既存の味気ないコンデンサーと違い「大きく交換したらどんなサウンドになるのだろうか?」そう思わせてくれる魅力があります。
現在はVishayなど複数メーカーが生産していますが、「オレンジドロップ」といえばレスポールやストラトのトーン回路の定番中の定番。
オレンジドロップの音の特徴
オレンジドロップは、次のような特徴を持っています。
- 高域がスッキリ抜ける
- トーンを絞ってもこもらず、音の芯が残る
- レスポールのウォームトーンを活かしつつ輪郭を保つ
つまり、「抜けが良くてクリアだけど冷たくない音」を得られるコンデンサー。

これってレスポールユーザーが欲しいサウンドニーズ
特にヴィンテージライクなサウンドを求めるプレイヤーにはぴったりです。
レスポールにおすすめの値(容量)

レスポールのトーン回路には、一般的に 0.022μF(マイクロファラッド) が使われます。
この値にすることで、トーンを絞ったときも低音がつぶれず、ほどよく丸いサウンドが得られます。
もしハムバッカーでもっとこもりを抑えたい場合は、0.015μF にするのもアリです。
逆に甘いトーンを重視するなら 0.047μF も選択肢になります。
オレンジドロップ取り付けのコツ
はんだ付けは通常のフィルムコンデンサーと同様ですが、リード線が太めなので、ポッドのラグにしっかり熱を伝えてハンダを流すのがコツ。
使用するハンダごては、温度調整ができるもの(例:白光 HAKKO FX600-02)がおすすめです。
ハンダは音質面でも定評のある ケスター44 を選ぶと仕上がりも安心です。
関連記事;ギターリペアの最強はんだごて、白光(HAKKO) ダイヤル式温度制御はんだこて FX600-02
オレンジドロップと他コンデンサーとの違い

オレンジドロップと他コンデンサーの違いをまとめました。
| 種類 | 人気度 | 主なユーザー層 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| オレンジドロップ | ★★★★★ | 初心者〜中級者・定番志向 | 抜けの良い万能サウンド |
| バンブルビー | ★★★★☆ | ヴィンテージ志向・雰囲気重視 | 太く温かいクラシックトーン |
| セラミック | ★★★☆☆ | 純正維持・コスパ重視 | シャープだがやや無機質 |
| マイラー | ★★★☆☆ | ジャズ系・柔らかい音を好む人 | 優しくマイルドなトーン |
つまり、「よく選ばれている=人気・使用率が高い」という観点では、オレンジドロップとバンブルビーが二大定番です。
ただ、セラミックやマイラーも「価格・雰囲気・音の方向性」に応じて一定の需要があります。
「迷ったらまずオレンジドロップ」というのは、このバランスの良さと安定した品質によるものです。

バンブルビーは高い!!
① バンブルビー(Bumble Bee)
- ✅ 非常に人気(ヴィンテージ派に定番)
- 元は50年代のギブソン・レスポールに使われていたペーパーインオイル(PIO)タイプ。
- 現在も復刻版(Montreux、Emerson、Gibson Historic Specなど)が販売されています。
- 音は「太くて温かく、やや柔らかい高域」。
- ジミー・ペイジ、ジョー・ペリーなどヴィンテージトーン志向の人に人気。
- 価格は1個3,000〜6,000円ほどでやや高価ですが、「見た目と雰囲気」 も含めて選ばれています。

ヴィンテージ志向のユーザーが選ぶ「定番コンデンサー」。音の丸みと雰囲気を重視する人に人気です。
② セラミック(Ceramic Disk Capacitor)
- ✅ 純正搭載率が高い(安価で多くのギターに使われる)
- 音は「少し硬め・無機質」とされますが、コスパが良く量産モデルで広く採用。
- Fender Mexico や Epiphone などにも標準装備されているケースがあります。
- 価格は数十円〜100円程度。
安価で安定動作。
高級感はないが、純正採用も多く「よく使われている」タイプです。
音質を求める層より「コスパ重視」や「純正復元目的」で選ばれます。

レスポールにもともとついていた
③ マイラー(Mylar/ポリエステルフィルム)
- ✅ DIY派・コスパ重視層に人気
- オレンジドロップよりも柔らかくマイルドな音質傾向。
- JENSEN、Panasonic、Nichiconなどが有名。
- 比較的安価(数百円〜)で、落ち着いたジャズトーンやローファイな質感が得やすい。
「温かい音が好き」「少しローファイ感が欲しい」プレイヤーに好まれるタイプ。
レスポールでもクリーントーンを重視する人には人気があります。
オレンジドロップはどこで買える?
オレンジドロップが普及している理由に入手しやすい特徴があります。
Amazonやサウンドハウスなどで簡単に入手可能です。
価格も1個あたり数百円とお手頃。

電圧は音に大きく影響しませんが、耐久性の面で600Vが人気です。
まとめ
- レスポールのトーンがこもると感じたら、まずはコンデンサー交換を検討
- 迷ったらオレンジドロップを選べば間違いなし
- 抜けの良いトーンが得られ、トーンを絞っても芯のある音が出せる
オレンジドロップは、初心者でも交換しやすく、コスパと音質を両立した「失敗しない選択肢」です。

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