ギターの配線ですが、配線を調べてみるとさまざまな配線方法があって、理解に苦しみませんか?
電化製品は、乾電池みたいに➕と➖があって、という解釈でギター配線を眺めてみても、その概念とは全然違うように感じてしまいます。
この線は「送り」で、あの線は「戻り」という単純な解釈では、理解できませんよね。
そこで、今回はギター配線のホットとコールそしてアースとは?ということを解説したいと思います。

わからないモヤモヤが解消できればと思います

電気の流れが目に見えればよいのだが・・・
ギター配線のホット、コールドとは?
「ホットとは信号の送り」のことで「コールドとは信号の戻り」のことです。
送り=高電位、戻り=低電位。
この高低差があるから、音が出る仕組みです。
ホットがピックアップの音をアンプに送るわけですが、それだけでは音がでないということです。

相対する要素が必要
ホット・コールドとは?解説します。
🔹 ホット(Hot)=信号の「送り」
- ピックアップで発生した音の信号(電気)をアンプへ送る線。
- ジャックの**Tip(先端)**に接続される。
- 回路の中で「高電位側」。
🔹 コールド(Cold)=信号の「戻り」=アース(グラウンド)
- ホットから流れた信号が戻ってくる道。
- ノイズも一緒に「地面(グラウンド)」に逃がす。
- ジャックの**Sleeve(筒側)**に接続される。
- 回路の「低電位側(基準:0V)」。

人体の血液循環で例えてみました。
ギター回路の要素 | 血液循環にたとえると… | 解説 |
---|---|---|
ホット(信号線) | 🩸 動脈 | ピックアップ=心臓から出た信号(血)が、必要な場所へ送り出される |
コールド(アース) | 🔁 静脈 | 使い終わった信号(血)は回路を通ってアース(地面)に戻る |
アース(GND) | 🌍 地面・身体全体 | 電気的ゼロの基準点。全ての信号がここに戻ってくる |
ピックアップ | ❤️ 心臓 | 振動(酸素)を信号(血)に変換して送り出す |
ノイズ対策(シールド等) | 🛡️ 免疫システム | 体に侵入する雑菌(ノイズ)をブロック |
アウトプットジャックのアース端子 | 🩸 静脈弁 | 信号を外部へ送り出しつつ、戻り道も確保する |

働く細胞がブームだからね
「送り」と「戻り」のループで音がでる
「送り → 戻り」のループがあることで、電気信号が流れて音になります。

血液の流れもそうで、循環することで生命が繋がれる
名前 | 内容 |
---|---|
送り | 信号(電気)をアンプへ運ぶ道(ホット) |
戻り | 信号の帰り道、ノイズを逃がす(アース) |
信号が流れるパーツには必ずホットとコールドがあり信号がループするようになっている。

以下の表にまとめました
パーツ名 | ホットあり | コールド(アース)あり | 解説 |
---|---|---|---|
🎤 ピックアップ | ✅ ホット出力あり | ✅ アース線あり | ホット=信号出力、コールド=ノイズ対策と回路の戻り |
🎛 セレクター | ✅ 通過するホット信号あり | ❌(※) | ホット信号の切り替え役。自体はアースされていないことが多い |
🎚 ボリュームポット | ✅ ホット入力・出力あり | ✅ アース端子あり | ホット信号の量を調整。金属ケースもアースへ接続される |
🎚 トーンポット | ✅(キャパシタ経由) | ✅ アースあり | 高音域だけをアースに逃がす役割 |
⛓ キャパシタ(コンデンサー) | ✅(ホットの一部を通す) | ✅ アース側へ接続 | トーンで使用され、信号の一部だけをアースに落とす |
🔌 アウトプットジャック | ✅ Tip端子がホット | ✅ Sleeve端子がアース | 最終的に信号をアンプへ送る出口 |
🪛 ブリッジ・弦 | ❌(信号なし) | ✅ アースあり | プレイヤーの体経由でノイズを逃がす「静電気アンテナ」的役割 |
🛡️ シールド(導電塗料・銅テープ) | ❌ | ✅ アースへ接続 | 電磁ノイズをボディ全体でブロックしてアースに流す |
⚡ アクティブ回路(プリアンプなど) | ✅ 入出力ともにホットあり | ✅ 電源マイナスやグラウンドでアースあり | 電子パーツなので両方必須、かつ電源も必要 |

アースは不要な音域とノイズを逃す役割
電位差とは?
電気が流れるのは、電位(電圧)の差があるから。
- ホットは高電位
- アースは低電位(=基準の0V)
この差を利用して、ギターの信号は一方向に流れます。
信号の流れの例
- ピックアップが弦の振動を拾う
- その結果、電位差が発生する
- 信号がホットを通ってジャック(アンプ)へ送られ
- 戻りの電流がアース(コールド)から帰ってくる
血液にたとえると…
ピックアップが「心臓」だとすると:
- 弦の振動で「血圧(=電位差)」が生まれ、
- ホット(動脈)を通って信号が流れ、
- アース(静脈)を通って元の地点に戻る
アース(戻り道)の2つの大事な役目
ホットから流れた電流がアースに戻るってちょっと理解し難いですよね、
大前提で、ループを作っておかないと音がでないということです。
- 信号の回路を完成させる(ループを作る)
- ノイズを逃がす(静電気・電磁波など)
よくある誤解とその正解
誤解 | 正解 |
---|---|
ホットだけで信号が流れる | 戻り(アース)がないと回路は完成せず、信号は流れない |
アースはノイズ除去だけのもの | ノイズ処理+電気信号を流すための基準(0V)にもなる |
「戻り」はいらないものを捨てるだけ | 信号の通り道でもあり、必要な働きがある |
まとめ
ギター配線は、一見複雑で何が何だか分からない世界に見えますが、「ホット=送り」「コールド=戻り」「アース=信号の帰り道&ノイズ逃し」と理解すれば、少しずつ全体像が見えてきます。
大事なのは電位差(高低差)を利用して信号が流れるということ。
そしてそのためにはホットとアースの両方が必要で、どちらが欠けても音は出ません。
配線の世界も、血液循環のように「送り出して、戻ってくる」ことで成り立っています。
回路がちゃんとつながっていれば、ギターは元気に鳴ってくれます!
最初はモヤモヤしても、少しずつ見える世界が広がってくるので、焦らずじっくりと理解していきましょう。
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