「なんだか音がこもる…」「弦の振動がすぐに止まる…」「アンプから出る音がバランス悪い…」
こんな風に感じたことはありませんか?
それ、もしかするとピックアップの高さが原因かもしれません。
ピックアップの高さは、ギターの音に大きな影響を与える重要なポイント。

弦高調整など、ピックアップと弦の距離が変わったら調整
適切に調整することで、クリアな音質や理想的なサステインを得ることができます。

調整しないと、フロント、リアの音量差で不快
この記事では、ピックアップの高さによる影響や適切な調整方法を詳しく解説します。
ピックアップ高さによる音への影響

ピックアップの高さ基準は音のバランスが取れた高さを基準値として定義しています。
バランスってのは、人それぞれ感じ方が違うわけですが、今回のピックアップ高さは一般的に言われている基準値を紹介します。

結論だけ知りたい人はコチラ。
エレキギターのピックアップの高さがなぜ重要かというと、音質や出力に大きな影響を与えます。
先日ピックアップを交換したのですが、ピックアップの高さを調整しないと「せっかく調達したピックアップも0円の価値」にしかなりません。
ピックアップ高の調整をしてこそ、目的のトーンを得ることができます。
本記事では、ピックアップの高さ調整の基本、影響、調整方法、注意点について解説します。
ピックアップは、弦の振動を電気信号に変換する装置です。
高さを変えることで、以下のような影響が生じます。
- 高くすると → 出力が強くなり、アタックが強調されるが、音が歪みやすくなる。
- 低くすると → 出力が弱くなり、サステインが伸びるが、音が細くなることがある。
もっと具体的にピックアップ高さによる影響にフォーカスしていきます。
(1) 出力と音量
ピックアップが弦に近いほど信号が強くなり、音量が上がります。しかし、過度に近づけると音が歪みやすくなります。
(2) トーンとバランス
高さが適切でないと、高音が強すぎたり、低音がこもったりすることがあります。
特にネック側とブリッジ側のバランスが重要です。
(3) サステインと磁力の影響
ピックアップが弦に近すぎると、磁力が弦の振動を抑えてしまい、サステインが短くなることがあります。
特にシングルコイルのネックピックアップは影響を受けやすいです。

ピックアップ高さの調整方法

以下の表はギター演奏の悩みがピックアップ高さが原因の場合の事例になります。

当てはまるものがあれば、調整してみましょう。
分類 | 悩み | 説明 | 調整方法 |
---|---|---|---|
出力と音量 | ピックアップ間の音量差 | フロントとリアのピックアップで音量バランスが取れていない | 音量の小さい方のピックアップを弦に近づける |
出力と音量 | 全体的な出力不足 | 音が小さく、アンプを通しても十分な音量が得られない | ピックアップを弦に近づけて出力を上げる |
出力と音量 | 弦ごとの音量バランス | 特定の弦だけ音量が小さい、または大きい | ピックアップの傾きを調整して各弦との距離を均一にする |
出力と音量 | ピッキングによる音量変化が少ない | 弱く弾いても強く弾いても音量差が小さい | ピックアップを少し下げてダイナミクスレンジを広げる |
トーンとバランス | 高音が強すぎる | 音が明るすぎて耳障りに感じる | ピックアップを弦から少し離して高音を抑える |
トーンとバランス | 低音が濁る | 特に低音弦の音が不明瞭になる | ベース弦側のピックアップ高さを微調整して音を明瞭にする |
トーンとバランス | アタック感の不足 | 音の立ち上がりが弱く、メリハリがない | ピックアップを弦に近づけてアタック感を強調する |
トーンとバランス | ミドルレンジの欠如 | 音が薄く、存在感がない | ピックアップ高さを調整して中音域を強調する |
サステインと磁力の影響 | サスティンの極端な減少 | 音の持続時間が短い | ピックアップを弦から適切な距離に調整して磁力の影響を軽減 |
サステインと磁力の影響 | 意図しないハーモニクスの発生 | 弾いていないときに不要なハーモニクス音が出る | ピックアップを弦から少し離して磁力の影響を減らす |
サステインと磁力の影響 | フィードバックの発生 | 特にハイゲイン設定で不要なフィードバックが起きる | ピックアップの高さを下げてフィードバックを抑制 |
サステインと磁力の影響 | 弾きにくさ | ピックやフィンガリングの際に弦がピックアップに当たる | ピックアップを弦から十分な距離に下げて演奏性を改善 |

調整方法は定規を見つつネジを回すだけ。

道具は、物差しとドライバーのみ
基本的な調整手順

- ギターをチューニングする → 正確な状態で調整するためにチューニングを合わせる。
- 測定基準を確認 → 最終フレットを押さえた状態で、弦とピックアップのポールピースの距離を測る。
- 調整ネジを回す → 高さを変更するには、ピックアップ横のネジを時計回りで下げ、反時計回りで上げる。
問題は、弦とポールピースの距離のベストですが、おおよそ1.5mmから3mmの間で調整されていることが多いです。
ギブソン(ハムバッカー)の場合
ピックアップ高さは、人それぞれの主張があり根拠ありそうな情報ということで2通り紹介します、一つは、ギブソン出荷時のセッティング例になります。
以下はギブソン出荷時のスペックですが、6弦側の情報を集めることはできませんでした。
傾向的に、1弦側+0.5mmが6弦側の高さであることが多い気がします。
ピックアップ位置 | 1弦側 | 6弦側 | 備考 |
---|---|---|---|
フロント(ネック側) | 2.38mm(3/32インチ) | 不明 | ギブソン工場出荷スペック |
リア(ブリッジ側) | 1.58mm(1/16インチ) | 不明 | ギブソン工場出荷スペック |
2例目は、こちら。
ピックアップ位置 | 1弦側 | 6弦側 | 備考 |
---|---|---|---|
フロント(ネック側) | 1.5mm | 2.0mm | ハムバッカー推奨値 |
リア(ブリッジ側) | 1.5mm | 2.0mm | ハムバッカー推奨値 |
正解という数字はありませんので、以下を基準にカスタマイズすればよいと思う
- おおよそ1.5mmから3mmの間で調整
- ピックアップ高さは、フロント>リア
- 1弦側と6弦側の差は5mm
最終調整は音を確認しながら徐々にピックアップを下げる方向に調節し、バランスの良い高さを探ってください!

フロントとリアの音量バランスもね!

フロントの方が弦振動が強いので、低めの設定になる
フェンダー(シングルコイル)の場合
ピックアップ位置 | 1弦側 | 6弦側 | 備考 |
---|---|---|---|
フロント(ネック側) | 2.5mm | 3.0mm | 一般的なシングルコイルの推奨値 |
ミドル | 2.3mm | 2.8mm | ストラトキャスターなど3ピックアップモデル用 |
リア(ブリッジ側) | 2.0mm | 2.5mm | シングルコイルの一般的な推奨値 |
※これはあくまで目安です。最適な高さはプレイヤーの好みやギターの種類によって異なります。
調整時の注意点
- 近づけすぎない → 磁力による影響でサステインが短くなることがある。
- 各弦のバランスを取る → 低音弦側と高音弦側の高さを調整して、音のバランスを取る。
- ブリッジとネックのバランスを確認 → ブリッジピックアップは通常ネックピックアップより少し高めに設定する。
- アンプを通して音を確認する → アンプを通した音のバランスをチェックすることが重要。
5. まとめ
エレキギターのピックアップ高さは、出力やトーン、サステインに大きく影響します。
- おおよそ1.5mmから3mmの間で調整
- ピックアップ高さは、フロント>リア
- 1弦側と6弦側の差は5mm
基本のセッティングを参考にしながら、自分の好みに合わせて微調整することが大切です。
調整を試しながら、最適なサウンドを見つけましょう!

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